明：14話や ページ18
シ：それで、殺したというのは？
カ：あれは、今から数年ほど前かな。フランスにいた頃。
回想
私がまだ1人で旅をしていた頃だった。
近所にノアという女の子がいたの。彼女はマッチを売って生計を立てていたんだけど
マッチ売りの子供がそんなにお金を稼げるワケないでしょう？だから、いつもその子は
マッチを売り残していたの。ノアはいつも言っていたわ売り残したら、
家に入れてくれないってね。これで察した人もいるでしょうけど
ノアはいつもお腹を空かせていたわ。でもノアはよく私の家に遊びに来てくれたの
でもあの日、ノアはいつの間にか手にパンを持っていたの。やっと
パンを買うことができたんだろうって思っていた。でも違ったの
ノアはね・・
自分の家に持っていたマッチで火をつけたのよ。
自分の父親を殺してね。当然ノアは掴まり死罪になった。当時私は、処刑人をしていたの
だからもちろんノアも私のところに来たのノアに言い渡された処刑方法は
火炙りの刑よノアの体は黒く焼け焦げてもう元に戻すこと何て到底無理だったの。
ノアは最後にこういっていたわ「ただ１切れのパンが食べたかった。ただそれだけなのに」
ってね。
カ：いつの時代もこんなことは続くものでも、人はこんなことで死んではいけないのよ！
だから、彼らを助けたの。何か悪いかしら？
全ーカ：・・・
ア：死を覆してはいけない。死神が確認しに来るはずだよねえ。
カ：言ったでしょ、反魂の術って。反魂の術はね、その魂をもう1度この世に呼び戻すことができる。
彼らの死はなかったことにできる。もう、この話は終わりでいい？
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作者名：備州のさにわ | 作成日時：2016年9月5日 2時
