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ようやく身の回りが落ち着き、そろそろ休息も許されるだろうと支部への道から一本逸れる。

いつの間にかこの場所は、訪れたいと願うひとつに代わっていた。


いつも通り、普段通りに装う俺を一目見た瞬間駆け寄ってくる彼女。
まん丸な瞳が見開かれ、眉を下げ伺う姿にむず痒い程心打たれる。


おずおずと見上げる仕草が可愛らしくて、その気持ちが俺なんかに向くのが勿体なさ過ぎて、慣れた笑顔はどこへやら俺の表情筋はいつの間にか休息へ入っていた。


「…だから、休みにきたよ」


久しぶり、と素直に口元を緩めた俺を見て、胸をなでおろす。
安心しきった様な、庇護欲を掻き立てられる幼気な笑顔を守れたのかと思うと何とも言い表しがたい多幸感に包まれた。


細く白い指が、無地の皿を撫で離れていく。

素直で可愛らしい彼女を自然と追う様に見つめていて、くりくりと丸い瞳が俺と絡む前にケーキへ視線を落とす。


黄昏時へ変わるまでの柔らかな暖色の時間。導くように体を慣れさてくれる店内は、静かに音楽が流れていて、誰も、何も入り込む事無く思考を休息へいざなう。

この空間に身を置くだけで癒される様な場所と彼女を失いたくない癖に、段々と感情の変化が色濃くなる。


彼女に目を向け見える未来は、長年付き合ってきた自分自身でさえ驚いたり願ったり、いつの間にか振り回されそうになる。これが望んでいる欲望なのか、縋ってさえしたくなる。


ふと見上げ視線が絡み、緩く微笑み首を傾ける仕草に心臓の奥が深く音を立てる。

この甘く脆い関係を壊せずに、踏み込むことさえできない自分が酷くもどかしい。



もし彼女と今の様に話せなくなってしまうのなら、俺は今を壊し突き進む勇気はない。
取捨選択はうんざりするほどしてきた癖に、都合よく進まない未来と進みすぎている未来とでは無理くりにでも後者を選びたくなる。




俺が特別な感情を持つことで、再び誰かが悲しむのはもう沢山で。かくいう自分が、もうこれ以上大切な人を失いたくなくて。





選択、という大嫌いな行為が、更に勇気を打ちのめす。



それなのに、もっと進んだ関係を望む俺がいる。


一歩踏み込んだ場所に。


君の、隣に。

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設定タグ:ワールドトリガー , 夢小説 , 迅悠一   
作品ジャンル:アニメ
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月17日 15時

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