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布巾を片手に振り返ると、ようやく店長さんと呼ぶに慣れてきたマスターが顔を上げる。



「A、もう時間だろう?」


「はい、でも、もう少しだけ」


「っは、ありがとな」



優しく微笑む店長さんに笑みをおとし、テーブルを拭く。角張った長方形の板が淡い光に照らされるのを見て次の席へと移った。



両親の友人である、コーヒーと新聞が似合うダンディーなおじさまが営む小さな喫茶店。
私が勤めるには場違い感も否めないが、高校生活の隙間時間を少し大人なこの空間で過ごさせてもらっている。




落ち着いた雰囲気で静かにジャズが流れ、レジ前のショーケースには宝石のようなケーキ。
そして、何と言っても優しくて料理上手な店長さんがいるここが大好きだ。





個人経営の小さな喫茶店。
フランチャイズなレストランには劣るかもしれないけれど、暖かな人たちに恵まれ、接客は勿論アルバイト経験さえも無かった私を店長もお客様も優しく見守って育ててもらいながら毎日を送っている。






休憩にくる大人なサラリーマンや、ドキドキしながら入ってくる中高生。
パソコンや沢山の資料集をもってくる大学生や会社員。


時間が過ぎてゆくなかで色々な人が入れ代わり立ち代わりで静かな空間を過ごしてゆく、そんな場所。





もうすぐ6時を回り、段々と夕暮れ時に変わるころ。差し込む光が和らぐ優しい時間帯。
テーブルの掃除が完了し、カウンターへ戻り焙煎後の処理に手を付けようとしたその時。




「こんにちはぁ。」




また一人お客様がやってくる。
カウンターの奥で屈んでしまった為、覗いた先はひらりと翻った水色の服しか見えない。





「いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ」




声をかけながら足早に入口へ向かうと、流れるような声。




「ん、ありがとう」




緩く弧を描く口元。透き通るような水色の瞳。




「っ……迅……さん…?」



私の目の前に腰を下ろした好青年は、余りにも見覚えがありすぎて。


思わずまんまると目を見開く感覚が、自分自身で手に取るように分かった。

あの時→←いいこと、ありそうで。



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設定タグ:ワールドトリガー , 夢小説 , 迅悠一   
作品ジャンル:アニメ
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月17日 15時

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