Ability I (ページ44)

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４４. 秘密ページ44

翔side

潤も半ば強引に和に連れて行かれたから俺は1人で医務室へ向かった。

医務室のドアは少し開いたままで中から会話してる声が聞こえてくる。

…

校長「必死だったんだろう…そういやまた異能力上がったか…？」

松岡「俺が前あった時より何倍も増えてますよね？」

校長「しばらく安定してたんだが、今回の戦いのせいだろう。…やっぱりまだグループ組ませるのは早かったか」

松岡「だいぶ無理してたと思います。何ヶ月ぶりですか？」

校長「…あの時以来だよ、戦うのは」

松岡「そんなになりますか…」

校長「実力は申し分なかっただろう？ずっと1人でやってきたからな」

松岡「はい…すごい奴です」

俺は中に入りかけてその場に固まってしまった。

…どういうこと？

戦うのはあの時以来？あの時って何？

何の話だよ…智くんはどれだけ俺らに隠しごとしてんだよ…

松岡「おっ、えっと…翔か」

入るに入れなくなっていた俺だが医務室から出てきた松岡くんに気付かれた。

松岡「…聞いてたんだろ？智のことよろしくな」

そう言って俺の頭をくしゃっと撫でると医務室を出て行った。

俺が医務室に入ると校長は

校長「おぉ、櫻井くんか。じゃあ後は任せるよ」

そう言って俺が何か言う前に出て行ってしまった。

俺はベットサイドにあった椅子に座るとぐっすり眠っている智くんの顔を見つめる。

…智くん…智くんは何を隠してるの？

…何を背負ってるの？

…教えてよ。

まだ知り合ってそんなに経ってないけど、智くんの力になりたいよ

…ねぇ

目を覚ましてよ…

…

どのくらいそうしていたのだろう…ずっと見つめていた目元が動いた

智「ん…」

翔「智くん！？」

智「…しょーくん」

俺に名前を呼ばれ、一度眉を寄せた智くんはゆっくりと目を開けふにゃんと笑って俺の名前を呼んだ。

智「しょーくん、なんで泣いてるの？」

翔「えっ…？」

俺は何を言われたか分からなかった

そして、ゆっくりと智くんの手が俺の頬に触れ、涙をふく

智「ごめんね、しょーくん。ありがとう」

翔「…目が覚めなかったらどうしようかと思った…いっぱい聞くことあるのにぃ…」

俺は智くんの目が覚めた安心感でますます涙が止まらない。

智「うん、ごめん」

俺は涙を止めることが出来なかった…

…