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翔side
智くんが炎の結界を展開し始めた時には、流石に驚いた。
だって…智くんが出来るはずがない
いくら優秀でも、水の異能を使う人には出来ないものなのに、それを途中まで展開し、後に俺に任せてきた。
智くんのあの目、真っ直ぐにこっちを見て俺を信じてくれてる目を見たら疑問なんて吹き飛んでやらなきゃって思った。
幸い俺は小さい頃から学んできたからこれくらいは朝飯前、だけどこれを完璧に保ちながら攻撃をする程の余裕はなかった。
戦うことを許してくれた智くんだけど、これじゃ戦ってないのと一緒だよ…
雅紀も逃げ遅れた子達を助けに行っちゃったし、結局リーダー1人であの魔物と戦うことになってる。
魔物は心臓を破壊することで倒す事が出来る。普段なら複数人で魔物の意識を前に引きつけ背後から心臓を突くのが基本
でも今は1人しかいないどうする気なのか…
俺はその様子を見守ることしか出来なかった…
智くんは魔物の前に走り出し自分を認識させ、攻撃を自分に引きつけた。
そして、その攻撃を次々と交わしながら少しずつ魔物にもダメージを与えていく
本当に紙一重で攻撃を避けそのまま自分も攻撃に入る様子を見ているとどれほど智くんが戦い慣れているのか、嫌でも分かる。
並大抵の努力で出来ることじゃない…
その様子は戦っているのを忘れるぐらい綺麗だった
…
でも、いくら智くんが戦い慣れていてもあの大きさを1人で倒すのは無理があるみたいで、次第に攻撃を与える余裕が無くなってゆく。
とその時…
魔物が予想外に大きく攻撃を放ち、智くんの体勢が崩れた
…
そこに魔物は連続で智くんに攻撃を放とうとした…
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作者名：紀衣 | 作成日時：2021年1月11日 21時
