Ability I (ページ15)

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１５. 《裏》校長side ページ15

校長side

智が入学した日の夜も深まった頃、校長室の電話が鳴った。

「はい、喜多川です」

『双葉だ』

「おぉ、どうした？」

『いや、この前言ってた大野夫妻の子ども…智だっけ？どうなったか気になってさ。捕まった？』

「捕まったって…無事今日入学した」

『それは良かった…で？どんな感じ？』

「…化け物だな…二人は本当に力を封印したのか？」

『俺が12年前に見た時は封印されてたが…そんなに凄いか？』

「あぁ全ての力を出したらたぶん…都市一個吹っ飛ぶ。それに2属性持ちだ…水と火の」

『わぉ…それはすごいな…どうするんだ？そんなこと上には報告できんだろう。報告した瞬間に上層部に連れて行かれて言いなりだ』

「あぁ、取り敢えず智君には2属性持ちの事は黙っているように言って、上には報告しない」

『大丈夫か？それで』

「自分から2属性持ちだと言うような性格では無いと思う…父さんの優に似てな」

『そっか、分かったよ。優似か…会ってみたいな。しかもうちのチームじゃ最強だった2人の子だと余計に。まぁまた、なんかあったらまた連絡してくれ』

「あぁそういえば、例の奴はどうだ？」

『音沙汰なしだ』

「そうか、見つからんか。あの事件が無かったら…智君も何も背負わなくて良かったのにな…」

『それはしょうがない話だ。言わない約束だろ。真実を知ってる最後の2人なんだから…』

「そうだな、悪かったよ」

『それはそうと、面白いやつを拾ったぞ』

「なんだ？」

『槍使いの子どもで雅紀って言うんだけどな。巧妙に隠してある俺の家をいとも簡単に見つけて弟子にして下さいって言ってきた。どんなもんかと思ってたら、なかなか筋が良くてさ』

「それは良かったじゃないか」

『もうちょっと鍛えて再来年ぐらいにそっちに入学させるよ』

「あぁ、楽しみにしてるよ」

『じゃあな、また何かあったら連絡する』

「あぁ頼む」

大野智か…あの子はどう生きていくのだろう…
良い仲間と巡り逢えたらいいな…