Ability I (ページ12)

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１２. 学校ページ12

家を出発し、先生について行くと最寄りの駅に着いた。特別な乗り物か何かで行くと思っていた僕は思わず

「えっ、何で駅？」

と呟いた。
　

「何でって東京駅からじゃないと学園行きの電車ないもん」

「電車で行くの？」

「うん」

そう言って先生は普通に切符を買いに歩いて行ってしまう。そして、

「はい、智の分。まぁそんな特別なもんじゃないよ異能力者って」

そう笑いながら言った。

東京駅に着いた。電車を降りてすぐ、歩きながら

「はい、これ持っててね」

と言って薄い金属のカードを差し出した。

「これ何？」

「許可証みたいなやつ。これ無いと次の電車乗れないし、乗り場すら見つけられない」

「へーそれも異能？」

「うん、あっここここ」

そう言って先生が立ち止まったのは駅構内の柱の影になった古いドアの前。そのドアを開けると…ごく普通のホームが広がっていた。

特別なものがあるわけじゃないんだ…そんな僕の顔を見て先生が

「普通でしょ？」

とニヤニヤしながら言う。やっぱりこの人腹立つ。

電車には、僕たち以外誰も乗っていない。乗るとすぐに出発した。最初はぼーっと外を眺めていたが、ふとどれくらいの時間で着くのか気になり向かいに座っていた先生を見ると、ぐっすりと眠ってしまっている。

「はぁ…寝るの早すぎ」

「智ー着いたよー」

どうやら僕も眠ってしまったようで、気が付いた時には到着していた。先生は

「あー眠い…まぁ、行きますか」

先生はそう言って電車をおりる。そこには、広大な森が広がっていた。とても学校があるとは思えない。先生はズンズンと獣道のような道を歩いている。俺は慌てて追いつくと

「本当にあるの？学校なんて」

と聞くと

「すごいでしょこの森。まぁ15分ぐらいで着くよ。行き道に案内もするからもうちょっとかかるかもだけど」

なんだか答えになっていない答えが返ってきた。そして先生はまたズンズンと歩いて行く。5分ぐらい歩いただろうか。いきなりコテージのような家が現れた。遠くの方にも何軒か建っている。その家にはよく見ると表札がかかっていて『少年隊』とか『光GENJI』と書いてある。

「ここら辺の家は、学校を卒業して異能力者として働いている人達のなんだ」

「へーじゃあ少年隊とか光GENJIっていうのは？」