第二十話 ページ22
いよいよ、学園パーティが翌日に迫った。
曲は全て覚えたし、ピアノと剣舞を何回も合わせたので心配なことは殆どない。
そう、殆どは。
ただ一つだけ心配なことがある。
エリザだ。学園パーティは全学年が参加するイベントで、その中には当然例の嫌がらせの犯人がいるだろう。アレン様やアピア様がきっとお傍に居てくれると思うが、それでも油断はできない。
「はぁ……」
「ガルワくん、疲れてるなら寮に戻っても大丈夫だよ。明日の為に休んだ方がいいだろうし」
「！ ヴィシア、様」
急に声をかけられたのと、かけてきたのがヴィシア様だということに驚き、不自然な返しをしてしまった。
「ガルワくん。明日のパーティは心配事が山積みなんだろうけど、それでもため息をつくのはいけない。幸せが逃げていくよ？」
「幸せ、ですか」
そんなもの、私にはそもそもないと思うが。
流石に声にはしなかったが、そんなことを思ってしまう自分が嫌になった。いつの間に、こんなに捻くれてしまったんだろうか。
「皆！ 今日はもう解散だ。明日の為にしっかり休息をとること。いいね？」
各々が返事をし、荷物をまとめて生徒会室から退室する。私もそうした。
さようなら、また明日、と先輩や同学年の役員の方と挨拶をし、それぞれの部屋に入る。
そういえば、私は一人部屋だった。アレン様もそうだけど、すぐ隣にはエリザがいるから、そこまで退屈はしないだろう。私の部屋の周りはあまり交流したことのない人しかいないから、はっきり言ってしまえば退屈だ。暇だとは思えないけど。
……柄にもなく緊張しているのか、どうでもいいことを考えてしまう。こんなんじゃだめだ、とかぶりを振る。
なんとなく勉強したくなくて、お化粧と肌のケアをしたらすぐにベッドに潜った。今更のように追い打ちをかけてくる孤独から逃げたかった。
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ふう(プロフ) - 読ませて頂きました!!もうほんと途中胸痛かったけど、最後ハピエンで良かったです!!何か、自分をみてくれないって思ってたところがえりざ?ちゃんと夢主ちゃん似てるな、って思いました!!素晴らしかったです! (2019年9月13日 17時) (
レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真冬 | 作成日時：2018年1月19日 23時
