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you side
『いらっしゃい…あれ、トントンも居るんや』
「急にごめんな…」
『いや、大丈夫。上がって』
あの電話から10分も経たないくらい。
インターホンが鳴らされ、ドアを開けるとグルさんとトントンが立っていた。
トントンはグルさんと同じく我々だのメンバーで、比較的常識人だ。
謝罪と挨拶をしてくれるトントンと違い、グルさんは無言でどんどん部屋に入っていく。
そしてソファにどかっと座っては、長い足を組み
静かに、怒りを含ませた声を発する。
「……で、例の件だが」
「俺も聞いたで。…ほんまなん、あれ」
トントンを椅子に座らせ、私はベッドの上に座る。
そして二人の顔をじっと見て、笑顔で返した。
『ほんまやで。あの放送で、何一つ嘘ついてへん』
ぐっと顔を歪めるトントンに対し、目を細めたままこちらを見るグルさん。
「何故言ってくれなかった。お前のリスナーを大事に想う姿勢は素晴らしいものだが、まずは親戚の俺に伝えるべきだろう」
親が居たならまだしも、と溜息を吐いたグルさんに、何言ってんねん、と焦るトントン。
私の両親は既に他界している。
父は病気で、母は過労死だった。
そして次は娘が病気か。
ふは、不謹慎だが、なんだか笑けてくるな…ここまで来ると。
『言う必要がないと感じたから、言わんかった』
「必要性なんて馬鹿でもあるとわかるだろう」
『どうせネット通じて知れるやん。私はそれで十分やと思うけど』
「…、お前な……！」
大きく口を開けてこちらに近づいてくるグルさん。
私の視界の端では、彼を止めようとしているトントンが見えた。
しかし、トントンの制止の声はグルさんに届くことはなく。
グルさんは私の両肩をガっと掴むと、怒鳴りつけた。
「お前は常識がわからないのか！！
何故親戚である俺がお前のリスナーを通じてお前の余命を知らなければならない！？
何故親戚である俺が、お前が世界に発信したネットごときでそんな大事な情報を知らなければならない…！？
何故、言ってくれなかったんだ！俺に、直接！」
『……逆に、なんで親戚やからって直接言わなあかんの』
こっちは仕事で忙しいグルさんのことを想って言わなかっただけだ。
確かにネットに発信してしまえばすぐに知られる。
だが、優しいグルさんなら私がネットに発信するのにも世話してくれるだろう。
私は、それを避けたいだけだった。
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クルーズトリパノソーマ(プロフ) - 久しぶりに思い出して見にきました。いつ見ても涙腺が崩壊してしまう…とても大好きな作品です！素敵な作品をありがとうございます。 (2022年12月30日 1時) (
レス) @page33 id: 374ec1f9c5 (このIDを非表示/違反報告)
んやも(プロフ) - koisiguさん» ありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです… (2021年4月23日 17時) (レス) id: 814ae4dc69 (このIDを非表示/違反報告)
koisigu(プロフ) - 何度見ても泣ける。ほんま、大好きです。神作をどうもありがとう！！ (2021年4月22日 23時) (レス) id: 68d0be93a8 (このIDを非表示/違反報告)
んやも(プロフ) - ミュウのぬいぐるみさん» ありがとうございます！沢山のお褒めの言葉を頂けて本当に嬉しいです。 (2021年3月22日 16時) (レス) id: 814ae4dc69 (このIDを非表示/違反報告)
ミュウのぬいぐるみ - 流石に涙無しでは見れませんね。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年3月22日 16時) (レス) id: b82930c744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：んやも | 作成日時：2020年6月22日 22時
