Lupinus【呪術廻戦】

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『…？』

「本当は、……嬉しかったんだよ。あの時来てくれて。」






『……。』

「初めて会った時も。俺を守るためにこっちに来てくれた時も。Aの顔見たら安心する。」









硝子に治療してもらい、治るまで悟の家で過ごして帰ってきたが、
なかなか改善しない貧血にぐったりしていると誰かがいる気配に目を覚ました。

最近めっきり来なくなったのに突然目の前に居た恵。
随分しょんぼりとした顔で俯いている。
何かあったのだろうか。









「もうこれ以上Aの重荷になりたくない。俺のせいでAが辛い思いをするのも、怪我するのも嫌だ。」


『…。』








「どうすればいい…、…俺が禪院家に行ったら、もうこんな目に合わないのか？」


『恵、』








「俺は奪ってばっかりだ。Aが笑っててくれるなら、もう会えなくなってもいいよ。」


『…。』









まだ子どもだと思っていた。

甘えたいときにはいっぱい甘えさせて、
やりたい事、好きな事を叶えてあげられるよう、
出来るだけ”普通”の子と同じように面倒を見れるよう、
守らなければいけない子だと思っていた。





気付けば身体も大きくなり、背も伸びている。
もう少しで追い抜かされそうなくらいに。


いつの間に、
こんなに大きくなっていたのだろう。









『…こっちおいで、恵。』


「…っ、は？」







『ほらほら、早く。』


「…、」









掛け布団をめくり、ベッドをぽんぽんと軽く叩く。
躊躇いながらも言われた通りに隣で横になり、
久しぶりに同じ布団に入る。

嫌がられるかもしれないが、
もう子どもじゃない、大きくなった恵を少し強引に抱き締める。

力いっぱい、
出来るだけ長く。









「……。」


『恵に会えなくなるなんて嫌だよ。』









「…、」


『…だからそんな事言わないで？』









「……でも、俺のせいでAはコキ使われてるんだろ。」


『え？』









「…五条さんが言ってた。」


『……。』








恵の様子がおかしくなった原因はアイツか。









『………なんて言ってた？』


「Aと禪院直毘人には縛りがあるって。Aがあいつらと縛りを作るなら俺が関わってるんじゃないのか？」








『それもう何年か前に解けたし、最近は仕事依頼されるだけだよ？』


「…そうなのか？」









『……ちょっと今度話しとく。』


「………うん。」

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