転校生は本物の悪魔なようで

帰り道 ページ22

〜“*☆吹花視点☆*”〜

鈴花と別れたあと、私は一目散に自宅に向かって走っていった。
　走りながら今日を振り返ってみる。

意外と時間にルーズな鈴花。
静かなところが好きな鈴花。

初めて知ることがたくさんあった。

あの景色も、二人でみれて、本当に良かったと思ってる。
　走ることが疲れてきたので私は速度をゆるめていった。

チラリと後ろを振り返ってみた。

…そこには丁度あの路地裏が。
確か、あそこで私があの現場を目撃したんだよね。
つい最近のことなのに…。
ずっと前のことのように思えてしまう。

悪魔…ねぇ。

本当にいたんだなぁ。
本当はまだ信じきれていない自分もいた。
でも、鈴花のことは信じてあげたいな。
…そう思っていたから私は鈴花を信じることにした。

鈴花は悪魔だけど…。
心から悪い奴じゃないと思う。
逆に優しいと私は思うな。

鈴花はそのへん、どう思ってるんだろう？

…あはは。わかんないや。
…でも。

久々に“友達”と笑いあえた気がするな。

もう一度私はチラリと後ろを振り返ってみた。

そこには美しい夕焼け空が広がっていた。


▽
「ただいまー！」
玄関に入り、靴を脱ぐ。
「おかえりなさい。」
　お母さんの声がキッチンの方から聞こえてくる。

確か今日は、ハンバーグってお母さんが朝、言ってたな。

お母さんのハンバーグは久々かも。

楽しみだなぁ。

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