1番ブースの恋【Yuto T】

Story 18 * yuto（n） ページ18

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…はぁ、と深い溜息。


やっと話せたは良いけれど、佐藤さんの好きな人知っちゃったし。


優斗先生みたいな良い人、勝てっこない。




「那須！おはよ！あのさ！」


「うるさい」




今お前の相手できるほど、元気ない。


ねえ、那須聞いて！と騒ぐ浮所を無視して机に突っ伏した。


好きな子と、やっと話せたと思ったらその子の好きな人を翌日に知るってことある？


しかも、自分の担当の先生。


身近なところにライバルがいるなんて、全然気付かなかった。


……まぁ、土俵にすら立ててないと思うけど。




*




「ねえ、今日元気ないよね？」


「うるさいなぁ、」


「なに〜？失恋でもしたの〜？」


「っとにうるさい！」




ヘラヘラしてるくせに核心をついてくる浮所。


あからさまな反応をしてしまえば、さらに食いついてくる。




「だれだれ！協力するから教えて！」


「…大丈夫、お前には絶対教えない」




酷い！気になって授業集中出来ないじゃん！とキャンキャン言っているけど、知らない。




「でも失恋って、フラれたの？」


「…そもそも告白してないけど」


「じゃあ諦めなくていいと思うよ！ガンガンいかないと！…で、誰？」




それは言わない。


ほら、チャイム鳴るよ、と追い払うように浮所の席を指さした。




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