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「シンデレラは魔法使いと約束を守ると
……ふふ、また寝ちゃったか」
時刻は20時30分。
6畳程の寝室の中央に
敷かれた布団で眠る我が子を
少し明るめの常夜灯が照らしている。
6歳になったひとり息子の大貴に
日課である絵本の読み聞かせをしていたのだけど
彼はいつの間にか夢の中。
今日のリクエストは『シンデレラ』。
今度、保育園のお遊戯会で
シンデレラの劇をするらしく
早くも予習のためにとリクエストしてきた。
ちなみにまだ
配役は決まってないらしいけれど。
『母ちゃん!
今度劇でシンデレラやるんだ!
俺、王子様やりたい!
みんなより早く練習するんだ!』
とキラキラな笑顔で絵本を持ってきたのは
ほんの数分前。
だけど、読み聞かせを始めると同時に
寝てしまうのは毎度のこと。
あんなに意気揚々としていたのに
今回も例外なく
物語の序盤で眠ってしまっていた。
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「シンデレラって、どんな話だったっけ……」
大貴と同じように
私も、小さな頃は母によく
読みきかせをしてもらっていた。
シンデレラは
私のお気に入りだった気がするけれど
もう何年も前の話、遠い記憶。
ふと懐かしくなって。
大貴に読み聞かせるはずだった
絵本の続きをパラパラと捲った。
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作者名:めもり | 作成日時:2021年11月21日 21時