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「お姉さん、トマト好きでしょ?」
「あ、はい」
「俺、とーっておきの
トマトレシピを思いついちゃって」
「……はい?」
「教えてあげるから、連絡して?」
メモ用紙をよく見ると
"ID:______"
緑アイコンのメッセージアプリのIDが
書かれていた。
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……えぇ!? どういうこと?
いきなり、いきつけのカフェのオーナーに
連絡先を渡されてびっくり。
何年もこんなことなかった。
というか、結婚してから一度もなかったよ……。
放心状態の私とは対局に
「じゃあまた来てね〜」
とイノオさんは爽やかに手を振った。
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オフィスに戻ってつかの間の休憩。
オフィス内はみんなランチに出かけているのか
数人しか残っておらず、とても静か。
「トマトレシピ……知りたい」
そんな中考える。
連絡先を渡してきた彼の本意は
計り知れない、けれど。
イノオさんのカフェのサンドウィッチは美味しい。
そのレシピ考案者であるイノオさんが作る
新しいトマトレシピは……知りたすぎる、と。
……えいっ、レシピ聞くだけだし。
今日の夕食にしてしまおう。
オフィスのデスクでスマホとにらめっこ。
連絡先を渡された意味なんて考えたって分からないから
深く考えるのはやめることにして。
アプリの検索欄を開く。
もらったIDを打ち込んだ。
けれど……
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ピコンっ。
「え……山田涼介? 誰」
追加されたのは、イノオさんではなかった。
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作者名:めもり | 作成日時:2021年11月21日 21時