五条先生の教え子 ページ7
あれこれ考えているわたしを、五条先生はじっと見ていた。
正確にはじっと見ているように見えた。視線は目隠しで分かんないからね。
そして唐突にニッと笑って、「さ、行こうか。」と言った。
運動場に案内されて、ここも久しぶりだなとなんだか不思議な気持ちになった。
恵くんとやらは文句も言わずついてきている。
「なんで最初教室集合にしたんですか？」
単純に疑問だったのできいてみたら、くるっと振り返って
「え？だって運動場って待たせるにはまだ暑いじゃん！！」と答えた。
最初から待たせる気満々だったのかこの適当大魔神。
はは、と乾いた笑いしか出なかった。忘れていたけどこういう人だったな。
なんか変わってなくてちょっと安心した。
「よーし、さっさと始めようか。じゃ、恵と一戦やってくれる？僕見てるからさっ。」
うすうす勘づいていたけどやっぱりそうか。
「ブランク明けで知らない子と手合わせするのかぁ。」
わたしがそうこぼすと、さっきまで静かにしていた恵くんが心なしか口角を上げた。
「怖いんすか。」
生意気だな。間違いない。五条先生の教え子だ。
「そりゃあね、どのぐらい加減したらいいか分かんないんだもん。」
言ってから、わたしも五条先生の教え子だなと思った。
嫌味な言い方して子どもだなとも思った。
「いいね、それっぽくなってきた。」
なぜか五条先生はご機嫌そうだ。
「ルールはカンタン三本勝負。相手に先に3発入れたほうが勝ち。」
なるほど。
わたしは黙ったまま体をちょっと伸ばして、息を整える。
「それじゃあ準備いい？」
「よーい、はじめ。」
わたしは思い切り地面を蹴った。
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六日(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます！コメントいただけてとっても嬉しいです！更新頑張ります！ (10月15日 17時) (
レス) @page12 id: a0b5dc45b6 (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 待ってヤバイめっちゃ好き！続き楽しみにしてます (10月15日 16時) (レス) @page11 id: 66b7922ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六日 | 作成日時：2024年10月8日 17時
