【銀魂】先生と呼ばせてください (ページ8)

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先生と蝶2 ページ8

｢は、離してください！追いかけないと！｣

｢あの女なら怪我なんざしてねェよ、安心しろ。俺だって無益な殺しはしねェ、だから分かるだろォ？｣

今ここで逆らったら、殺される。

高杉さんはそこら辺にあった空き家に入っていった。
別に隠れ家でもなんでもないらしい。

｢で、テメェらはあの女の何を知ってんだ｣

｢何にも知らないネ、名前も何も。でも色んなこと教えてくれるから、先生って呼んでるだけアル｣

｢……銀時とも知り合ったのか｣

｢そりゃ顔は合わせましたけど、何故か銀さん、先生のこと毛嫌いしてて、来るなとか顔見たくないとか、結構酷いこと言ってました｣

高杉さんは短く舌打ちをした。

｢お前なら、銀ちゃんが冷たい理由分かるアルか？｣

｢……似てんだよ。瓜二つってやつだ｣

｢似てる？誰にですか？｣

｢誰でもいいだろ。だが本人なわけあるめェ、性別も違ェしな。だが他人だと無視できねェ程似ている｣

今までバラバラだったピースが、繋ぎ合わさっていく気がした。

｢……ヅラは｣

｢え？｣

｢ヅラには会ったのか、あの女｣

｢知らないネ｣

｢次会ったら言っとけ、ヅラには会うな、もう俺達を動揺させるな、ってな｣

｢え、どういう意味……｣

高杉さんは何も答えず消えていった。

動揺させるな、か。ということは、高杉さんは先生に会って動揺したという事だ。きっと銀さんも。

あれは怒っていたのではなく、動揺していたのかもしれない。そして、桂さんも会えばきっと動揺する。だから会うなと、高杉さんは警告したかったのだろう。

僕は今までの出来事を総合してそう判断した。

桂さんと銀さんは昔からの馴染みらしい。高杉さんの言葉から察するに、きっとその輪には高杉さんもいたのだろう。あの3人をあんなに動揺させる、させうる人物。先生、一体何者なのだろうか。

その時の僕には、それを銀さんに問いかけてはいけないということしか分からなかった。