【銀魂】先生と呼ばせてください (ページ6)

今日:11 hit、昨日:14 hit、合計:61,148 hit

先生と子供達2 ページ6

翌日、神楽ちゃんを連れ、再び村を訪れた。

色んな人に教えて貰ったとおりに進むと、山の奥に繋がる小道が見えた。

｢行ってみるアル｣

｢うん｣

なんだか冒険しているみたいで楽しかった。

小道を抜けると、大きく開けた場所に出た。そこには屋敷と、立派な柊の木があった。間違いない。ここだ。

｢お兄ちゃんっ｣

｢あ！昨日の……｣

｢お姉さんのとこ行かないの？｣

｢え、ああ、うん……｣

｢お姉さん、絶対に悪い顔はしないよ、誰がいつ行ったって、笑って迎えてくれるもん｣

男の子はそれだけ言うと、ボールを手に走っていってしまった。

｢あ、先生アル！｣

屋敷の向こう側から、先生が歩いてきた。

｢先生！｣

僕と神楽ちゃんは走った。

先生は僕達に気付くとぽかんとした。

｢会いたかったアル！｣

｢どうして、どうして……私を……｣

｢あんな手紙貰って、そのままにしておけるわけないでしょう｣

｢私は……決別のつもりで書いたのに｣

先生は苦笑した。

｢とはいえ見つかってしまったのなら、もう諦める他なさそうですね。どうぞ上がってください｣

先生の家は広かった。先生はここに、1人で住んでいるのか。寂しくないのかなと僕は思った。

｢先生、どこ行ってたアルか？｣

｢江戸です。ここでは手に入らないものを、村の皆さんの要望を聞いて買ってきたんです。足腰が悪い方も沢山いますから｣

｢何でそんなことしてるアルか？｣

｢皆さんの役に立ちたいから、でしょうか。農作業の手伝いから子守りに熊退治まで、頼まれたら何でもやりますよ｣

｢万事屋みたいですね｣

｢熊倒せるアルか先生｣

｢神楽ちゃんどこに食いついてんの……｣

僕達はなかなか本題を切り出せないでいた。先生もその様子を察してくれたのだろう、僕達に、言いたいことがあるなら遠慮なく言ってもいいんですよと言ってくれた。

｢また会いに来てもいいアルか？もっと先生とお話したいネ｣

｢僕も会いたいです。勿論銀さんには内緒で……｣

｢来てくれた子たちを、追い返すつもりはありません。いつでも来てください。

居なかったら、村の人にでも聞いてみてください、きっと誰か居場所を知っていますから｣

先生は僕らと離れるのを諦めたようだった。

｢今度は、僕らがお土産持っていきますよ｣

先生と僕たちを繋ぐ糸を、なんとか切らずにおくことができた。