先生と地球2 ページ27
銀さんが不死者に対して星海坊主さんから受け取った剣を使っていった。
僕と神楽ちゃんは先生も合わせて銀さんに近づき過ぎないように気を付けながら戦った。
銀さんの剣がついに虚を捉え、その眼を貫通した。
｢なるほど、あなたの切り札、よォく拝見させていただきました。ですがそれでは私を殺すことはできない｣
先生には不本意だったがかなり効果的に働いたその種の武器が、虚には殆ど通用していないように見えた。
｢彼女は殺せるかもしれませんね｣
虚が先生を一瞥した。
｢彼女は私よりずっと平穏な暮らしをしてきた。不死の力を使うこともずっと少なかった。
アルタナの使い方が私よりも随分下手ですから、対応しきれずに死ぬかもしれませんね｣
銀さんの手から離れてしまった結晶刀を持ち、虚がこちらを、先生を見やった。先生がぴくりと反応した。
｢仲間から貰ったプレゼントで殺されたとなれば、さぞ悲しまれることでしょうね、A｣
｢せんせ……！｣
虚が来る、そう思った瞬間、倒れていた銀さんが動いた。星海坊主さんから貰った爆玉の爆発に乗じて結晶刀の欠片を虚の残された方の眼に投げつけ、後退した。
そして、僕らの周りに、真選組、春雨、星海坊主さんと、次々と仲間が集まってきた。
僕達の最後の戦いが幕を開けた。
虚の目が回復するまでの僅かな時間で総力戦を仕掛けるのが僕達の狙いだった。
しかし、虚の力は僕達の予測を遥かに上回っていた。眼を潰された状態で、寸分狂わず真選組の隊員らを次々と斬っていった。気配だけで動けるらしかった。
隊員達が見せた怯えを、虚は見飽きたと言い捨てた。
そんな中、近藤さんが虚の心臓を刺した。
｢ほう、ここまで気付かなかったのは、私を前に微塵も怯えを感じていないからでしょうか｣
｢違ぇ、悪党ぶった斬んのが真選組だからだ｣
近藤さんが虚の身体を斬ろうと心臓に刺さった刀を斜めに動かそうとしたが、それよりも早く、虚が己の刀を己の肉体に刺し、近藤さんの刀と共にその身体を刺した。
激昂した土方さんと沖田さんが飛びかかったがトドメを刺すよりも早く、虚の目が回復してしまった。
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
