先生と兎1 ページ20
その日の夜。僕らは一同に集まった。
かぶき町四天王、真選組、公儀御庭番衆、柳生陳陰流一門、吉原自警団｢百華｣、結野衆、巳厘野衆、そして万事屋、先生。
たくさんの人々が、戦ってくれた。
銀さんは屁怒絽さん改めヘヴァンドロゴンを操作する術を覚えていた。
｢なんでやねん、人類滅ぼしたろか！｣
｢うがァァ！｣
先生はというと、意外とかぶき町の住人にも知り合いは多かったらしく、囲まれていた。
｢いやァ、アンタが戻ってきてくれるとは思わなかったよ先生！｣
僕らが先生先生と呼ぶからか、彼らにもそれで浸透しているらしかった。
｢オイてめぇら何Aに馴れ馴れしくしてんだ散れコノヤロー｣
｢なんだ銀さん、アンタ先生のこと嫌いじゃなかったのかい｣
｢嫌いじゃねーよ、おめーらがいくら頑張っても俺がAのこと1番昔から知ってるから。おめーらに勝ち目なんざねーよ｣
｢何の勝負をしてんですかアンタら……｣
｢いくら銀ちゃんが先生のこと昔から知ってても一時冷たくした事実は変わらないネ。私が先生と1番仲良しアル｣
神楽ちゃんが先生に抱きつくのを銀さんは引き剥がそうとしていた。
｢こんなにたくさんいたのでは、とても1番なんて決められませんよ。みんな1番です｣
先生は楽しそうに笑った。
僕らは疲れきってぐっすり眠ってしまった。
｢新八くん！新八くん！｣
｢ん……先生ぇ？まだ夜ですよ……｣
｢源外さんが攫われました。おそらく夜兎です｣
飛び起きた。
飲み会をしていたらしい銀さん達を叩き起して、真選組らと共に街に飛び出した。
｢こっちアル｣
神楽ちゃんが前に立った。
｢こんな夜こそ夜の兎は狩人になるアル｣
僕らの動きに気付いたのか、それとも宇宙で動きがあったのか、解放軍が再び攻めてきた。なんでも、あと6時間で地球が吹っ飛ぶらしかった。
｢埒が明かない、銀ちゃん、先生、ここは頼むアル！｣
｢神楽ちゃん！1人では……！｣
先生の制止も聞かずに神楽ちゃんが1人で抜け出した。
｢……同族の共鳴でしょうか。私に虚の気配が分かるように、彼女にも同じ血の気配が……｣
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
