先生とかぶき町4 ページ18
大軍を前にして臆することなく突き進んだ僕達に、御庭番衆が合流した。
頼もしい仲間がバカのまま待っていてくれたことに心が落ち着いたのもつかの間、解放軍は荼吉尼、辰羅、夜兎の三大傭兵部族を擁していた。
｢アンタが銀さんの幼馴染み？悪いけど銀さんは渡さないから。幼馴染みフラグとか建たせないから｣
｢？｣
｢コイツのことは無視でいいから｣
｢やだ放置プレイ？｣
機械兵器を使う解放軍に対し、源外さんが、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング源外砲という、敵も味方も全ての機械を制御不能にするほぼ自爆まがいの大砲を撃った。
源外砲を破壊しようとかぶき町に向かう彼らを追いかけ、僕達もかぶき町に辿り着いた。
街に侵入する解放軍を、姉上、鉄子さん、西郷さん、狂死郎さん、小銭形さんを筆頭に迎え撃った。
始めこそ攻勢に出ていたかぶき町だったが、荼吉尼の一撃で壁が破られ、再び大軍がおしよせてきた。
そこに現れたのは九兵衛さん率いる柳生家と義勇軍だった。
しかし、荼吉尼の頭らしい男に次々と倒されていく。
｢この匂い……メスが混じっているな。我らを愚弄しているのかァァァ！｣
頭は前後から斬りかかった九兵衛さんと先生を同時に吹き飛ばした。
｢女であることを意識したことはありません｣
｢その傷の治り……どこの化け物だ｣
｢そう呼ばれるのはそろそろ嫌になってきました。化け物ではなくAです｣
｢僕は柳生九兵衛だ
貴様らの相手は、女子供、チャランポランでこと足りる！！｣
機動力を活かして彼らを狭い路地に誘い込み、姉上達も協力して集中砲火をあびせた。それでも倒れない頭のところへ、再び江戸の�狃��瓩�、月詠さん達が現れた。
頭を倒したかと思われたが隙ができてしまい辰羅が姉上達を人質に源外砲を作った人物を出せと脅してきた。
源外さんとお登勢さんが間髪入れず名乗り出たが勝男さんや狂死郎さん、小銭形さんまで名乗り、ついには江戸の人々みんなが手を挙げた。
それに激怒した辰羅が、姉上を屋上から突き落とすのが見えた。
銀さんも神楽ちゃんも先生も、僕も反射的に飛び出した。必死に姉上に手を伸ばしたが届かなかった。落ちる、と目をつぶったが、何かが、僕らを受け止めた。
｢帰ってきましたよ、この街の王が、かぶき町の次郎長が
ただいま、アニキ｣
次郎長さんとピラ子さんだった。
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
