先生とかぶき町3 ページ17
｢戦え、万事屋。
帰ってきた真選組が、既に地上の解放軍の一部を壊滅させ、戦車を奪ったのであった。
近藤さん、土方さん、沖田さん、たくさんの見なれた顔があった。
｢そこで見ていろ、生まれ変わった新真選組の力を｣
近藤さんは頭に巻いていた鉢金を外した。鈍い音がしてそれが地面に落ちた。
｢ようやくこの力を解放する時が来た｣
｢先生見ちゃダメェェェ！｣
僕は反射的に先生のところへ飛んでいって先生の身体を後ろに向けた。
モザイクをやめた近藤さん、ニコチンをやめた土方さん、土方いじるのをやめるのをやめた沖田さん、そして山崎やめた山崎さん。
｢副長！状況確認終わりました！
江戸は何の異常もありません！ターミナルは折れ、街も破壊されましたが、この街は傷1つ付いておりません
我らの愛した江戸は、ここにあります｣
江戸は、何も変わってなどいなかった。
｢へぇ、アンタがあの時の……確かに見れば見るほど虚と瓜二つですねィ｣
｢なに馴れ馴れしく先生に近づいてるアルかクソサドォォ！｣
｢でも先生とやら、そのままの格好でいいんですかィ？
敵の大将とそっくりなんざ、ややこしくてならねェや。
俺達の仲間全員がアンタと虚と旦那の複雑に絡み合った糸を理解してるわけじゃねェし｣
｢とりあえずマスクとサングラスくらいしとけ、あとマヨネーズ持ってたら別人に見えるから｣
｢不審者に見えるわ！先生になんつー細工してんですかアンタら！｣
｢気にかけてくれてありがとうございます。でも小細工なんて必要ありません。敵か味方かなんて、街の人達は見れば分かってくれますよ｣
先生の柔和な笑みに、場の雰囲気も穏やかになった。
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
