先生と約束 ページ14
地球戻る船の中、食堂でコロッケを食べていた。
｢地球に戻ったら、私は皆さんから離れて1人で行動するつもりです。虚がどう動くか分かりませんから｣
｢断る｣
先生の提案に、銀さんがきっぱりと言い放った。
｢洛陽でさんざん自由行動しただろうが。あの時は切羽詰まってたから仕方なかったが、今回は許さねェ｣
｢でも虚は私の｣
アルタナを感知できると言いたかったのだろうけれど、銀さんが先生よりも早く口を開いた。
｢虚は必ずてめーを潰しに来るんだろ？どうせ俺達もその虚を探してんだ。向こうから来てくれるならその方が楽でいい｣
地球が大変なことになっているのは知っていた。先生はコロッケを頬張り、半ば諦めたように苦笑した。
｢そこまで言うのなら仕方ありませんね｣
｢次は離れんじゃねーぞ｣
同じテーブルでは桂さんや坂本さんも食事をしていた。
｢我々が地球を守るためにすべきことはただ1つ｣
桂さんの声にみんなそちらを向いた。
｢ﾓｸﾞﾓｸﾞ……ちょっと醤油取ってもらえる｣
｢なるほど醤油か、しかしコロッケにはソースでいくべきじゃろう｣
｢侍たるもの醤油と塩だけあれば万事こと足りる｣
ギャーギャーと言い争うバカ共を見ていると無性に腹が立ってきた。
｢つまりだな、このコロッケが地球なら、それにかかるメープルシロップが解放軍、中央に刺さるポッキーが虚だ｣
｢違いますよ銀時。この半分に割れたコロッケが地球、その上と周りにあるきのこの山が解放軍、それを囲むたけのこの里が私達です｣
｢なるほどのう、解放軍とわしらが戦争を始める構図がよく分かるぜよ。流石先生殿じゃあ｣
｢先生！虚がいないアル！｣
｢いやもう地球割れてる時点でアウトなんですけど｣
｢A美味しそうな食い方してるじゃねーか、きのこの山半分寄越せよ｣
｢解放軍は銀時が殲滅してくれるんですね｣
｢おうおうついでにたけのこの里もくれ｣
｢自滅してんじゃねーよ！｣
その後陸奥さんが無理やりまとめ、この話はお開きになった。
桂さんと坂本さんは将軍徳川喜々公とともに解放軍と交渉に向かうことになった。
僕は銀さん、神楽ちゃん、先生と共に地球に戻った。
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
