束縛愛Part4 (ページ9)

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〜A〜

なんか廊下のほうが騒がしい

いつの間にか教室には誰もいない

集会かな？

とりあえず体育館に移動しようとすると、廊下に見知った顔を見つけた

｢斗真くん？｣

名前を呼んだだけなのに女子生徒達から一斉に睨まれた

｢何してるの？こんなとこで｣

斗真｢いや。なんか手違いがあったみたいなんだよね｣

｢そうなんだ｣

斗真｢Aはどこ行こうとしてるの。授業は？｣

｢みんないないから集会かなと｣

斗真｢それは多分、俺らがいるからだよ｣

｢斗真くんがいるとどうしてみんな外に出るの？｣

斗真｢それは……｣

岡田｢斗真？もしかしてその子……。例のお前の彼女？｣

斗真｢ちょ…！！先輩！Aはそういうの……。ほんと勘弁して下さいよ。その件に関しては終わったことなんですから｣

岡田｢終わってはないからな｣

斗真｢違うんですよ。Aは騒がれるのが嫌なんですから｣

この人誰だろう

斗真くんの友達？

斗真｢あ、A。紹介するね。俺の先輩の岡田准一くん｣

｢は、はじ…め、まして。斗真くんがお世話になってます？｣

岡田｢お前より礼儀正しいな｣

斗真｢すみません先輩。しれっと俺をディスらないで｣

仲が良いんだ

先輩は友達ではないけど、こうも距離が近いものなのか

私は斗真くんの人間関係を何も知らない

聞いてもあまり教えてくれないけど

綾野｢あ！やっぱり！昨日の子……だよね？｣

｢…………？｣

斗真｢女子高生をナンパはやめといたほうがいいよ｣

綾野｢違う違う違う違う。そうじゃなくて。昨日スーパーで缶詰取ってあけだ子｣

斗真｢あぁー。いたね。そういやそのコーナーに｣

｢え……？こんな人知らない。だってメガネとマスクしてない｣

岡田｢なぁ。お前の彼女って……｣

斗真｢テレビ観ないです。あんま興味ないから｣

この前、翔のドラマ観たよ、カッコ良かったよって言ってもいいかな

言ったら怒るかな

私を挟んで会話してる

口を出さないほうがいいかも

カメラとか、よく分からない機械持った人がたくさん来た

他にも斗真くんみたいにカッコ良い人がいっぱい

大人が学校に何しに来てるんだろ

勉強したいのかな？

もしかして翔はこうなることが分かっていたから、朝あんなに心配してくれていたのか

それならちゃんと口で言ってくれれば良かったのに

今の斗真くんは私を閉じ込めていた時よりも執着した目をあまりしてない