父の肖像 ページ45
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プルルルルル____
『あれ、電話だ。』
画面を見ると谷崎くんからだった。
『はいもしもし____谷崎くん、どうかした?』
〈「ちょッと厄介な事故があッて……乱歩さんにお願いしたいンですけど……」〉
私はソファに座っている乱歩さんを見る
『判った。じゃあ取り敢えず話しておくね。』
私は電話を切る
さあ、此処からが問題だ。
『乱歩さん、依頼なんですけど……』
「え〜〜あ、敦君!この依頼行っといて!」
あろう事か渋る乱歩さんは通りかかった敦くんに依頼を回す
「え?でも依頼は乱歩さんに……」
「無理!今丁度香里が焼いた焼菓子が熱くて美味しいから!香里!お代わり頂戴!」
乱歩さんはきっぱりと云い、給湯室に置いていた残りの焼菓子を一つ持ってくる
まぁこの焼菓子は乱歩さんの為に焼いたので、沢山食べてもらって構わない。
「でも乱歩さん、矢っ張り僕に出来るとは迚も……」
「もうこれは君の事件だよ。困ったら“花屋”を捜せ。」
乱歩さんはそう、云い放つ。そして敦くんは依頼へと向かった
「香里ー、次はレーズンが入ってる焼き菓子作ってー」
「香里さんの作られたお菓子、凄く美味しいですわ!次のお菓子も楽しみにしていますわね!」
『オッケー!じゃあ来週にでも持って来ようかな〜』
そう云えばさっき、乱歩さんはハッキリと“君の事件と云った。敦くんと何か関係している……?
私はそんな想像を膨らませ乍ら、次のお菓子のレシピを考える
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作者名:ペネロッペ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mayakaahah/
作成日時:2022年10月5日 11時