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第25話 ページ26

千秋side


「ん……」


気が付くとあの空き部屋ではなくて、僕たちの部屋にいた。


「僕、寝ちゃってたんだ……」


寝起きの頭では状況の整理が出来なくて、ぼうっとしてしまったがだんだん思い出してきた。

僕はあの後、杏に自分の気持ちを正直に伝えたんだ。
我ながら、あのセリフはどうなんだと思うけど、これが今の僕が伝えられる本心。

起き上がろうとした時、違和感を感じた。
僕のベッドってこんなに狭かったっけ?


「んぅ……」


「……?!」


声のする方を見て絶句した。


「あ、杏……?!」


恋人(仮)という関係になってからも、杏とは一緒のベッドで寝たことはあまりない。
それが、いきなり……。

杏を起こさないよう、そっとベッドから出た。


「杏……」


杏の目元に残る涙の跡に胸が締め付けられた。

もう、泣かせないから。

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作者名:月羽and月翼 | 作成日時:2020年12月30日 0時

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