プロローグ ページ2
確かに覚えている。
俺には8個下の弟がいた。
ちょっと普通と違ったし、歳も離れてたからそんなに喋ってへんかったけど。
母親は自分勝手に男を作って俺と弟を置いて出かけていく。
その間は俺一人で5歳になっても喋れない弟の面倒を見ながら母親が家にいて学校に行ける日になってもみんなについていけない勉強。
俺は正直弟が嫌いやった。
弟がおらんかったら学校に行けたのに。
弟がおらんかったら友達やってできたのに。
弟がおらんかったら.....。
俺と弟は母親は同じだが父親は違う。
赤ちゃんはコウノトリさんが運んできてくれる、なんて可愛い嘘を教えられることなく齢10歳にして現実を知ったし、サンタクロースなんてもちろん生まれてから1度も来たことない。
母親にとって子供なんてどうでもいいただの『もの』に過ぎなくて。
弟が障害を持っていようが関係なしに放っておかれる。
服なんて1人2着ずつしか持ってへんし食事も1日2回と言っても母親がコンビニ弁当を置いていくだけ。
風呂だって1ヶ月に3回入るかどうか。
学校に行ってもいじめられるだけだから行くのをやめた。
「俺たち生きてて意味あんのかな...」
なんて呟いても弁当を手づかみで食べてる弟から返事が返ってくるはずがない。
その時だった。
ピーンポーン
そう。今思えばこの時のインターホンの音で俺の人生は変わったんや。
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orange72019(プロフ) - このお話むっちゃ好きです!!!!!これからも更新頑張ってください!!!!!!!!!! (2020年5月23日 1時) (レス) id: cdf058685f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年9月22日 23時