真冬に咲く薔薇 (ページ20)

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日本語で静かに呟き、自分の部屋に戻って行ったユウタの後姿を、マークは心配そうに見つめていた。

TL「レイ、ユタのことは任せていい？」

ずっと黙り込んでいたオッパが、穏やかな視線で私を見つめてくる。

こっちは任せてとでも言うような、時折見せる長男の表情。

「分かりました」

ひとつ頷いてから、周りに誰もいないことを確認して、悠太のいるホテルの部屋をドアをノックする。

『少し話そう』

ゆっくりと開いたドアの隙間から滑り込むように入ると、悠太は顔を隠すようにベットに横になった。

彼が見かけによらず繊細で、感情に支配されやすいのは、メンバーも、私もよく知っている。

ウィンウィンとは練習生の時から同じ外国人として寄り添っていたし、溺愛している弟でもあるから特に。

『ごめん。メンバーを守るのが、私の仕事なのに』

YT『レイのせいじゃない。
ジェヒョニも言ってたけど、マネージャーが出来ることにも限界はある』

…その限界を、自分で決めたくはなかった。

けれどこう言う場面に遭遇する度に、嫌というほど思い知らされる。

『だったら今の私に出来る事は、貴方達をもっと自由に世界に羽ばたかせられるような環境を作ることだね』