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《菫組》 ページ4

「おい、カナヲ。次の授業はなんだ」







「………歴史。煉獄先生だよ」







「歴史…………んだよ、寝れねぇじゃねーか」







あいつ声でかいし。

机に伏せていた顔をゆっくりと前に座るカナヲに向ける。







「それに、やたら人の名前多いんだよなー!国語とか道徳みてーな覚えなくていい名前だったら良いのに!」







「作者は意外と覚えておいた方がいいけどね。







今日は()する?」







「んーーー……けど煉獄相手はいつも見つかるしな」







カナヲは体ごと三日月の方へ向いた。三日月も体を起こし、グッと腕を伸ばす。

ちなみにカナヲが聞いているのは、何"をして時間を潰すか"である。三日月から提案していたものだが、カナヲも何気に楽しんでいたことが発覚。

しかし煉獄先生のように、感の鋭い先生にはすぐにバレてしまうのだ。







「絵しりとりにしよう」







「駄目。三日月の絵は下手すぎるから」







「喧嘩売ってるなら買うぞ」







初めこそポソポソと口を開いてくれるか否かの関係だった二人だが、今では冗談も言い合う仲だ。良かったね。







「(冗談じゃないけど」







「じゃ、ジジ抜きだ」







「……前の席だと、腕痛いのよ」







「それは前の席になった自分を恨むんだな!!」







背に隠しながらトランプを持っていくため、腕を軽く捻ることになる。地味に痛い。三日月も素直な性格なためズルはしないが、まれに迷う時もあるため早く抜いて欲しい時は小さくパタパタと合図をする。

けれどこの席も嫌いじゃないと思うカナヲであった。







そして結局バレる。







「しのぶにバレたら怒られるぞ」







「………それは、嫌だ」







職員室の引き出しにはたくさんのトランプがあるとかないとか。

そしてもちろん、しのぶにも胡蝶先生にも耳に入っていたが「カナヲが楽しいなら少しだけ見逃そう」と少しどころか全部見逃していたのだった。

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作者名:イチゴじゃむ | 作成日時:2021年3月31日 4時

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