19 ページ20
・
「あ、Aさん。おはようございます」
「お、おはよう」
「体調は大丈夫ですか？」
「おかげさまで...」
次の日、私がオフィスに入ると、パク君は一番最初に挨拶をしてきた。流石にこれは無視できないから、普通に返事をする。普通に。
自分のデスクに荷物を置いてから、始業まで適当に飲み物を買いに行こうとすれば肩をとんとんと叩かれて、小さく体が跳ねる。振り返れば昨日のめんどくさい上司だった。
「昨日先帰ったって聞いたけど、大丈夫？俺のせいだったり？」
「全然、そんな事無いですよ。昨日はもともと体調が良くなくて」
「ああそうだったの。もう大丈夫？無理しないでねー」
「はい、気をつけます」
“...危ねぇ。今の子はすぐパワハラって訴えるからな”
謝ってくるなんて割と珍しいな、なんて思ってたら案の定そういう事だったらしい。
こういう時の超能力は不便だ。別に知らなくていい事まで知ってしまう。でも上司とは目と目を見て話さなきゃ、返って失礼な事になるから。
...気を取り直して、飲み物を買いに行こうとすれば、目の前の人にぶつかって、財布の中身をばらまいてしまった。
「す、すいません」
「わ、大丈夫ですよ」
一緒に拾ってくれたその人に感謝して、小走りで自販機に逃げた。
いつもだったら、あんなくだらない事起こさないから、きっと私情が仕事に出ている。...何をそんなに慌てふためいているんだ。相手は年下の新人だよ？
気を引き締めろ、私。
頬を強めに叩いて、深呼吸をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 468人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
皐月(プロフ) - みさとさん» ありがとうございます。そんなに褒めて頂けるとは…恐縮です。とても嬉しいです！次回作もよろしくお願いします。 (2020年4月10日 13時) (
レス) id: 8b3223e05a (このIDを非表示/違反報告)
みさと(プロフ) - 完結おめでとうございます。凄く素敵な作品で更新を楽しみにしていました。皐月さんのジミンちゃんがツボすぎました！次回作も楽しみにしています。 (2020年4月9日 23時) (レス) id: 38c5101720 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - yaaaaaaさん» そうでしたか！良かったです！ありがとうございます、これからも頑張ります (2020年4月2日 16時) (レス) id: 382bedfc45 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - マミさん» ありがとうございます！ぐだぐた主人公にもうしばしお付き合い下さい…笑 (2020年4月2日 16時) (レス) id: 382bedfc45 (このIDを非表示/違反報告)
yaaaaaa(プロフ) - 面白いので不安にならなくて大丈夫だと思います！！！これからも楽しみにしてます(〃▽〃) (2020年4月2日 11時) (レス) id: 159a8fda76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：皐月 | 作成日時：2020年3月29日 15時
