ニガテな上司（センラ）

虚偽 ページ7

「別にポイントなんて…ただ、役に立てれば私はそれで満足なので」


……実を言うと、そうじゃない。

いや、もちろん役に立てて嬉しい気持ちはあるし、「ありがとう」って言われたら嬉しい。

けど、私が人を手伝う一番の理由は…人によく思われたいから。

嫌われたくないから。

……あぁ、結局これ『ポイント稼ぎ』だ。

センラさんの言う通り、だ…。

でもここで「はいそうですポイント稼ぎです」なんて言えなくて。

自分を偽りたくなくて。

いい人ぶってしまった。


「……フーン」

「……っ」

…センラさんのことだ。

私がいい人ぶってるの、見透かしてるかもしれない。

まだ何か言われるかも…。



「別どーでもええけど」

「…へ？」

予想外の言葉。

「へ、ってなんやねん」

「え、いや……」

「俺、仕事の過程とかどうでもええし。誰がしようが、どんな気持ちでやってようが、結局は結果やろ？仕事の内容しっかりしてれば、何も思わんわ。」

「そう、なんですか…」

…なんか、文句言ってこないのは意外だったけど、この人らしい意見だなぁ……。

何はともあれ、あれ以上何も言われなくてよかった。

言われたら後味悪くなっちゃうもん。

そうホッとしている私に、センラさんがトドメのひと言。


「まぁ、そういうことやから、好きなだけポイント稼ぎすれば？」

「…は……？」


ああこの人は、何だかんだ人の後味を悪くさせる。

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