溺愛される鬼少女③ (ページ40)

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【番外編】キメツ学園③ ページ40

「まっず！！なにこれ！不味い！」

職員室の端のソファと机で向かい合う私たち。

口を抑えて立ち上がった私を不思議そうに見る煉獄先生。

ごめん、先生。嘘でも美味しいなんて言えない。

「そこまで喜んでくれるとは！」

「なんでそうなった」

いい笑顔でそう言った煉獄先生を思わず殴りそうだった。耳は確かか。

吐き出したいけど良心がそれを許さないからとりあえず飲み込んだ鮭大根もどき。

「まだまだあるぞ！」

「…お腹いっぱいです」

少食だな！なんて言う煉獄先生。
ぜひそれを冨岡先生にあげてください。

あの大人気な煉獄先生は料理出来ない系男子だった。

ガラガラッ

ドアが開く音と共に入ってきたのは派手な人。

「お、Aじゃねぇか」

「宇髄先生、だから名字で呼んでって」

「いいだろ別に」

良くないんだよ。
宇髄先生が私の事だけ下の名前で呼ぶから"できてる説"出されてんの。

「迷惑です」

「なんだそれ食べ物か？」

「無視かよ。…鮭大根食べます？」

煉獄先生作のね。
これ食べてお腹壊せばーか。

「宇髄も食べるか！！俺が作ったんだ！」

「そうかい。まあ俺腹減ってねぇからいいわ」

なんで減ってないんだ。
こんなに悔しい事はない。

「ところで、不死川先生いつ来るの」

自分から呼んどいて来ないって事はないよね？
え？まさか来ないのかな？

帰っていい？

「じゃ、帰りますね」

「お前なにひとりで会話してんの？」

ドカッと隣に座った宇髄先生。

「いや、まてまて。私の鞄に座ってるそれ」

座布団じゃないんだわ。
人の鞄だから。

「あー。悪りぃな」

絶対思ってないテンションでそう言うけどね
退かないんだよね。

「教科書潰れるじゃん」

「お前どうせ勉強しないじゃん」

仮にも教師が言うことかそれは。

思い切り睨みながら長い足を蹴ったけどびくともしないしむしろ私の足が痛かった。

「不死川ならもうすぐ来るぞ！」

そう煉獄先生が言ったと同時に廊下からすごい足音が聞こえて来た。