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「………僕、本気なんだよ。本気でAが好きなんだ。そのために沢山傑にも相談した。でも、こんなに好きなったのはAが初めてで……どうしたらいいか分からなかった。」
かっこ悪いでしょ?と、五条は笑った。
「……いつもみたいな調子で気持ちを伝えておけばいつか必ず振り向いてくれると思ってた。……でも恋愛って僕みたいな男には結構難しいらしくて………そのせいで、Aには全く気持ちが伝わらないし……」
「…………私をそこら辺の女と同じ方法で落とせると思ってたんですか?」
「いや…というか………それしか分からなくて………ほかの女と同じなんて思ってた訳じゃなくて……」
なんていえばいいのか……と五条はもごもごと口を動かす。自分の方が年上のくせに全く格好がつかない。やばいな……と五条も焦っていると、Aが口を開く。
「…五条先生の言いたいことはよく分かりました。それで、だからなんですか?」
「え…?」
「だからあなたはどうしたいんですか?五条先生。それが分からないと、私はあなたに望み通りのお答えをすることができません。」
五………っ、!」
五条はガバッと目隠しを下にずらして、彼女の手を取る。
「A……僕と、付き合って。絶対幸せにするから。」
五条は顔を耳まで真っ赤にさせて、彼女にそう言った。最後まで格好がつかない。
「……私、ずっと五条先生は私で遊んでるのだと思ってたんです。そのうち飽きて捨てられると。でもそれは違うんですよね。私の事、ちゃんと最後まで好きで居てくださいますか?」
「もちろん。僕にはもうA以外いらない。これから先も付き合いたいと思うのも、結婚したいって思うのだって、Aしかいないよ。」
「……その言葉が聞けて、安心しました。」
彼女は頬を赤らめてふんわりと笑う。その表情に、また五条は胸をグッと掴まれた。
「……私を、五条先生の彼女にしてください。」
「………嬉しい………A、好きだよ。」
「わたしも、好きです。」
見つめ合い微笑むと、五条は彼女の頬を撫でる。彼がプレゼントをした赤いリップの塗られた唇に、優しくキスをした。
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NENE - あぁ、とてつもなくいい話でしたぁ!とても面白かったです!!五条先生カッコいいー!夢主ちゃん可愛いーー!! (2021年6月21日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
モブの中の雑魚 - ま、まあ?認めてあげても?いいわよ? (訳)大好きです (2021年4月23日 22時) (レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
rindou0505(プロフ) - 初めまして、完結おめでとうございます!お疲れ様でした!五条先生が可愛くて仕方のない作品でした。とても楽しかったです! (2021年3月16日 10時) (レス) id: abbbc2a66d (このIDを非表示/違反報告)
庵(プロフ) - これは、続きを期待してしまいますね……いやはや、最高。 (2021年3月16日 4時) (レス) id: c4b5b3c501 (このIDを非表示/違反報告)
そち。 - ほんとに関係ないのですが、夢主ちゃん、私と誕生日一緒なので嬉しいです! (2021年3月7日 1時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年3月6日 13時