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その日、夏油の機嫌はいつも以上に良かった。
「夏油先生、なんか機嫌よくね?」
「そう?」
「正直胡散臭さ増してるわよ。」
「酷いなぁ〜」
「あの人が帰ってくるからでしょう。」
「よく分かったね恵。連絡が来たのかな?」
「まぁ、一応。」
ぽんぽんと二人で話を進めていくものだから、虎杖と釘崎はなんのこっちゃで首を傾げた。
「あの人って誰?」
「そのうち分かるよ。さ、外に出て。訓練の時間だよ〜私も悟を見つけたらすぐ行くから。」
ほれほれと急かされて、彼らは仕方なく教室を出た。夏油はどこかでサボっているであろう五条を探すため、彼らとは逆方向へと走っていく。
一足先にグラウンドに出ていた一年生はもう既にストレッチを終えていた。
「ねぇ、あんたなんか知ってんでしょ?教えなさいよ。」
「そのうち分かるって言われただろ。」
「そのうちって?」
「そのうち。」
「教えなさいよ!」
「あー、わかった!分かったから耳元で騒ぐな!!」
釘崎と虎杖の押しに負けた伏黒は大きくため息をついた。
「あの人って言うのは……「ん?誰だあの人。」おい話聞けよ。」
せっかく話し出そうとした伏黒の言葉を遮ったのは虎杖で、虎杖の視線の先には全身真っ黒の服を着た見知らぬ人が立っていた。黒いサングラスをかけていて顔はほとんど見えない。
「あの人は……」
「え、何知り合い?」
「やぁ、こんにちは。」
「「!?」」
つい先程まで遠くにいたはずのその人物は、いつの間にか背後に立ってこやかに笑っていた。
「こんにちは。僕は凍氷A。ここの職員だよ。」
「……ん?凍氷って確か……」
「昭義兄さんのこと?あれとは兄妹だよ。」
「クソイケメンじゃねぇか。」
「恵、久しぶりだね。元気にしてた?」
「はい。Aさんも元気そうで良かったです。」
明らかに五条達とは対応が違う。その様子から、この人はちゃんとした人なんだろうと推測できる。
「伏黒知り合いなの?」
「あぁ。さっきのあの人ってのはこの人だ。」
「え、そーなの!?」
「おや、僕の噂中だったのかな?」
そう言って、その人はくすくすと笑う。そこで、虎杖がやっとなにかに気づく。
「あれ、でも……凍氷Aってそういや………昭義さんが言ってたよな。凍氷家の当主……」
「あぁ、言ってた。凍結呪法を使いこなす女の人………ん?」
釘崎は疑いの目を向けるように彼女を見た。
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秋田ケン - 最&高!!!!!好き!!!めっちゃ大好きなんだが?!?!?!ありがとうございます!!!!!!!!!!!!! (9月13日 21時) (レス) @page10 id: b4989b061f (このIDを非表示/違反報告)
とっち - めっちゃ好きです!何度も読み返しています。これからも更新頑張ってください! (2021年8月28日 6時) (レス) id: 42c6964bfa (このIDを非表示/違反報告)
もっっっっちもち - ヒエッめっちゃ好きです無理せず更新頑張って下さい! (2021年7月17日 13時) (レス) id: 1ec5234607 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(プロフ) - コメント失礼します! こちらの作品めちゃくちゃ面白いです! なんども読み返しています! お忙しいとは思いますが更新して頂けたら嬉しいです! (2021年4月7日 9時) (レス) id: 6eaa2a087c (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 初コメ失礼します!面白いです!更新頑張ってください! (2021年3月29日 1時) (レス) id: d5b7ff9b70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年3月3日 11時