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「…はい?」





言葉の意味がわからなかった。なぜ、自分が相伝の術式を使っているのか。





「何が言いたいのかというと、君はその売られた女の子……ってことだよ。つまり、君は禪院家の血筋だ。」





「僕の知る人にも、よく似てるよ。」五条のその言葉すら聞こえなかった。





"「…お前、なんか似てんなぁ…」

「…誰に?」

「あぁ、もう死んじまったんだがな。昔の知り合いで、ぜん「時雨、彼女に仕事の説明をしてあげてくれないかい?」お、おぉ…」"





"「そうか……うん、君はやっぱり筋がいいね。やはり、血筋のせいかな。」

「…?」

「ふふっ、気にしなくていいんだよ。」"





彼との会話の節々でそれを感じさせるような会話が少なからずあった。なぜ隠していたのか。自分を利用するため?まさか彼が?彼女の思考がどんどん良くない方へと偏っていく。





「ねぇ、聞いてる?」

「は、はい……その、ひとつ聞いてもいいですか。」

「ん?」

「……禪院家って、みんな身体能力が高かったりします?」

「んー、人によるかなぁ……でも、僕の知る中で、一人だけ並外れた身体能力の男がいたよ。呪力なし、天与呪縛のフィジカルギフテッドによって並外れた身体能力を持つ男をね。……なんでそんな事聞くの?」

「よく、言われるので。そうなのかなと。」

「ふーん……まぁ、Aはその男とは母親は違えど父親は一緒だったんだ。つまりは腹違いの兄妹。もしかしたら、Aはその人に少なからず似ちゃったのかもね。」

「…そうですか。」

「そこで、君に提案。僕に着いてくる気は無い?」

「………え?」

「Aが相伝の術式を持っていると分かれば、才能大好きの禪院家は必ず君を欲しがるからね。バレたら面倒だろう?」





無いとは思うが、禪院家にもしも万が一バレたとして、禪院家に行って幸せになれるのか。そんなの不可能だ。それくらい、Aだって分かっていた。以前までの彼女なら、家族優先で断っていただろう。

でも今はそれが出来なかった。





「…少し考えさせてください。」

「もちろん。僕の連絡先、渡しとくね。」





サラサラと紙に電話番号とアドレスを書くと、彼女に渡した。





「勘定は僕が持つから大丈夫だよ。いい返事、期待してるね。」





彼はそう言って、伝票を持つと席を立った。彼が去ったあとも、彼女はしばらくそこから動けなかった。

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まゆゆ - 続編ですか! これからも頑張ってください(≧▽≦) (2021年3月13日 20時) (レス) id: 65cce41a2e (このIDを非表示/違反報告)
低体温(プロフ) - 更新される度読むのが楽しみです!!更新頑張ってください!! (2021年3月6日 4時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっさっさ - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2021年2月24日 21時) (レス) id: 092bd421d4 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月23日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こういう系のお話めちゃめちゃ好きです! 推します! (2021年2月23日 15時) (レス) id: 70b578b6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月23日 12時

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