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｢……あの？｣
｢うん？あ、ココアのが良かった？｣
｢いや、ミルクティーでいいよ。ありがとう。｣
今二人がいるのはいつの日だか一緒に来た公園。夏油は自販機でコーヒーとミルクティーを買い、ミルクティーの缶を彼女に渡した。
しかし、どちらもプルタブに手を付けず無言の状態が続く。
｢……懐かしいね。｣
｢……そ、うだね。｣
｢………………｣
｢………………｣
何故？何？何があった？何かあるのか？と考えるがなにか特別なイベント事は無いはずだ。季節は3月。どちらかの誕生日でもないし、だとしたらなんだろうか。
｢……私は君と一緒に本家に住まわせて貰えることになった。｣
｢え、うん。｣
｢君の婿に入る、というのは君の両親も私の両親も公認だからね。｣
｢そうだねぇ、2年も前から決まってたから……もしかして今更怖気付いたなんて言わないね？｣
｢まさか。菜々子と美々子もいるし、居なくても君との婚約を破棄するなんてことは一生ない。でも、婚約関係はいつか変わる。結婚という形になって、夫婦になる。｣
｢……うん。｣
｢でも、なんだかそれだと味気ないだろう？流れるように夫婦になるだけじゃ、私としても納得がいかない。｣
｢………………うん？｣
｢君は相変わらずの鈍感だね。｣
目をぱちくりさせて首を傾げる彼女を見て、ふふっと笑うと、コーヒー缶をベンチに置き、Aの目の前にしゃがむ。その掌には、四角い小さな箱。そこで、Aはやっと気がついた。
｢……A、私と夫婦になってくれないかい？｣
小さなシルバーリング。箱の中身なんて大抵そうだ。分かりきった事なのに何故かとても嬉しくて、顔を隠してしまう。
｢ちょっ、と……まって……｣
｢待たない。｣
｢や、いまはちょっと………｣
｢返事は？さすがに私も恥ずかしい。｣
さすがに私も、では無くすごく私もの間違えではなかろうか。顔は耳まで真っ赤っかだ。
｢その……よ、喜んで……？｣
｢……くっ……ふふっ……なんで疑問形なの？｣
｢その……は、恥ずかしくて……｣
｢……手、出して？｣
Aが手を出すと、夏油はその手を優しく包み込むように握り、薬指に指輪をはめた。ピッタリすぎる。驚くほどに。
｢……私にも、つけてくれる？｣
A｢う、うん。｣
同じように彼の大きな手に指輪をはめると、夏油は満足そうに微笑んだあと、幸せを噛み締めるように声を絞り出した。
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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました！幸せ家族で良かったです！ (8月9日 3時) (
レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい！ (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます！ (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年2月22日 2時
