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1989年9月19日。凍氷昭義13歳、凍氷慶彦10歳、凍氷雅志8歳。

凍氷家に初の女の子が誕生した。それも、異能を持って。





「A様は凍結呪法をお使いになるんですって!」
「まぁ……!」





その屋敷の使用人は優しい人もいれば厳しい人もいる。御三家に使えているような意地の悪い人間もいる。

もちろんそれは、伝統的な術式を使えるようになったAと他の子供たちを差別したりする人間もいるということ。しかし、彼らはそんなこと全く気にしなかった。





「Aは可愛いな〜」

「手袋を貰ったの?よかったね、A。」

「A、兄さんと遊ぼう!」





3人の兄は初めての妹を可愛がった。しかしいつからだろう。どす黒い感情が雅志の心を渦巻くようになったのは。





「雅志様は未だに術式が使えないそうよ。」
「昭義様も慶彦様も、あんなにご活躍されているのに……まだ6歳のA様だって使えるのよ?」





雅志は周りよりも術式を身につけるのが遅かった。それにより、使用人たちにコソコソと嫌味を言われることは少なくなかった。





「A様が次期当主?女の子なのにすごいわ〜……!」

「慶彦様は特級になられたそうよ!」
「雅志様はまだ準二級?」
「今査定中らしいけど……どうなる事かしら。」

「昭義様、一級になったんですって!」
「雅志様はやっと準一級に推薦されたとか……ほんとに進級できるの?」
「全てに関して、周りより劣ってるわよね。」

「そのうち、聖志様たちにも越されてしまうんじゃないの?」





Aに敵う事といえば体術くらいだ。それ以外は全て劣る。妹であり、女である彼女に全てが劣る。それどころか他の兄弟にも劣る。既に死んでしまった慶彦よりも劣っている。そう言われ続けてきた。

そして下の弟たち。彼らも凄まじい成長を見せた。いつか下の彼らにも追い越されてしまうのではないか。そうなれば自分はどうなる。ついには親にも見離されてしまうのか。

双子の妹にも先を越されてしまったら。どうする……?





「…………あ。」





首と体が離れてしまった父。手には刀。あぁ、やってしまった。無意識だった。聖志は必死に父の体を揺すり、太輔は怯えたように自分を見る。昭義は、目を見開いてありえないと言うように自分を見た。





「ち、父上……!!」

「う……ぁ……あぁ……!」

「……おま……え……なにを……!」





___あぁ、そうだ。





みんな殺してしまえばいい___

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moo(プロフ) - まさかの展開に驚きました!幸せ家族で良かったです! (8月9日 3時) (レス) @page46 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - いきなりすみません…すっごく面白くて、楽しませて貰ってます!!応援してます!!更新頑張って下さい! (2021年3月3日 9時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 多分ですけど上の連中が練習になってます! (2021年2月26日 23時) (レス) id: 46e621c864 (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 花蛸花さん» わざわざありがとうございます!そのお話、楽しみにしてます!! (2021年2月26日 0時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - あの、質問なんですけど、いつ美々子と菜々子を助けたんですか?最新読んで「その話あったかな……?」と思ってしまいまして……夏油さん推しなのでみんなハッピー状態なのがすっごい見てて幸せになりました!! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月22日 2時

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