坂口(妹)-2【文スト】 (ページ7)

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中には鑞絵具(クレヨン)で子供の字で書かれた手紙が入っていた。それは確かにお茶会への招待状。文末には、エリスと名前が書かれていた。

｢……私が着いて行くとでも？｣

｢まぁ、この前のあの一件を考えりゃ普通は来ねぇが……エリス嬢にちょっくら付き合ってやってくれよ。紅葉の姐さんも、是非手前ともう一度話してぇと言ってらっしゃる。｣

｢紅葉の姐さんを知らないんですけど。｣

｢俺が来る前に会ったろ。和装の女性だ。｣

Aは少し考えたあと、思い出したかのように納得した。

｢首領も今回は手を出すなってエリス嬢に口酸っぱく言われてっからな。手荒な事もされねぇし、ましてや返されねぇなんてこともねぇよ。｣

｢どうだ？｣と中原が尋ねる。Aは暫く考えたあと、服の衣嚢から携帯を取りだした。

｢分かりました。その変わり、兄と職場に連絡させてください。｣

｢物分りのいい嬢ちゃんで何よりだ。｣

｢断ったら断ったで無理矢理連れていかれそうですし、小さな女の子からの招待状を蹴る訳にもいかないので。｣

｢お前って肝が据わってるなって言われねぇ？｣

｢時々。｣

そう返事を返しながら、Aはまず職場に電話を繋げた。

『はい、武装探偵社。』

｢あぁ、国木田さんですか？Aです。｣

『あぁ、Aか。どうした。出社時刻にはまだ早いが……』

｢その事で、今日お休みさせてくださいませんか。｣

『体調でも悪いのか。』

｢いえ、ポートマフィアにちょっと。｣

数秒の間の後、国木田の叫び声が耳を貫くように響いた。思わず携帯を離す。｢お前は何を言ってるんだ！！！つい先日拐われたのだぞ！わかってるのか！？｣と騒ぐ国木田の声が止まったかと思うと、｢もしもし〜？｣と電話を変わったのは太宰だった。

｢貴方が朝から居るなんて今日は厄日ですね。｣

『流石にそれは酷くないかい？それで、どうしてポートマフィアに？』

｢招待状を頂きました。エリスというお嬢さんから。｣

『それで、君はのこのことその誘いに乗ったわけ？』

｢断っても無理矢理連れていかれそうですし、それで騒ぎになるのも避けたいので。街中ですし。なので一応の保険として連絡してるんですけど。｣

｢ふむ…｣と太宰が呟く。｢分かった、許可しよう。安吾には私から連絡しておくよ。あちら側も、手荒なことはしないだろうしね｣と言った。そのすぐあと、Aは太宰との電話を切った。