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「こんにちは!教会で会ったでしょう?覚えてる?」

「はい、覚えています。当機はアダム・フランケンシュタインです。」

「勿論知ってるわ!機械の捜査官でしょう?会えて嬉しいわ!私は太宰Aと言うの、どうぞよろしく。」





彼女はスカァトの裾をちょこんと摘んで御辞儀をした。アダムはそれを真似てなのか、スーツのジャケットの裾をつまんで御辞儀をする。





「手前がやってどうすんだ。それは女の御辞儀だ。」





すかさず中原が突っ込むと、Aは白瀬へと目を向ける。





「貴方は?」

「俺?俺は白瀬撫一郎。記憶も住むところもなかった中也を助けた命の恩人様であり、次なる羊の王様だ!」

「……ふぅん……」





Aは最初程の興味も無く、白瀬を頭の先から足の先までじっくり舐め回すようにじっとみた。





「な、なんだよ……?」

「羊の話は聞いたことがあるわ。でも、今の貴方じゃ絶っっったいに王様になんかなれないわ!」

「はぁ!?」

「まず、中也を助けたことを鼻にかけすぎえばり過ぎ。中也ならそんな事くらいで一々えばりはしないわ。そして何より、一番だめなのは女性に対する振る舞いがなってない。」

「女性って……お前まだ餓鬼だろ!」

「ほら、それよ、それ!どんな相手であっても、レディはレディ、一何時も紳士でなきゃダメなのよ!それが出来ない男は男として半端者だって紅葉姉様が言ってたわ!男として半端者だってことは、人の上に立つには程遠いってこと。王様になりたいなら、まずは紳士たる振る舞いを身に付けなきゃ。私の部下に貴方よりも年下の男の子がいるけど、彼の方がよっぽど紳士的でかっこいいわ!」

「んなっ……!?」

「それとも、私が御指導して差し上げましょうか?」





スカァトの裾をちょこんとつまみ、首を傾げながらお辞儀をする。煽られっぱなしで何も言い返さない白瀬に中原は腹を抱えて笑った。





「あっはっはっはっ!いいぞA、言ってやれ!!」

「A〜兄様は〜?」

「勿論、兄様が一番よ!」

「僕も君が一番だよ我が愛おしの妹よ〜!」




太宰はすりすりと頬擦りをした。そこで初めて、太宰の生体信号(バイタル)の上昇が確認される。今まで眠っている時とそう変わりのない生体信号が続いていたのに、だ。その少女を隣に置くだけで、彼は人間らしい感情を吹き込まれるらしい。然し、白瀬はまた別の問題に驚いていた。

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月10日 12時

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