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カリカリとシャーペンの音が重なる。カツカツと黒板に文字を書く音が止まると、全員が顔を上げた。Aはチョークを粉受に置いて軽くてを払う。
「……以上、次回任務の作戦内容だ。なにか質問は?」
「これ、捕縛だけ?」
「もちろん。情報を聞き出さないといけないからね。殺すのはその後だ。」
幸慶の質問にそう答えると、メガネのブリッジを押し上げて笑った。次回の任務内容は呪詛師の捕縛と情報を聞き出すこと。そして、処刑。
それをメモした雅火顔を上げると口を開く。
「1年はどうする?着いてこさせてもいいけど、荷が重いんじゃない?」
「任務地の見回りと警護位はできるさ。補助監督とともに待機させよう。呪符で捕縛したあとの呪詛師の回収くらいは任せられる。」
「もし失敗したらどーするの?」
「その時はその時だ。その場しのぎのプランを考えるしかない。何があっても任務は遂行する。実幸、手当の準備は頼んだよ。1年は誰かしら怪我をするかもしれないし、呪詛師側にも瀕死になられちゃ困る。」
「了解。」
「幸穂は1年生の補助。1年生の指揮は任せたよ。」
「はいはーい。」
ということは、必然的に呪詛師の捕獲は男3人の仕事になる。あとは何かあったかなぁ…と資料をめくった。
「あとは呪具の回収くらいだ。」
「お、鷹ちゃんの出番か?」
「そういう事。」
「呪具の数は把握済みなの?」
「いいや。それはできてないが……まぁ大丈夫だよ。いいかい、なにかトラブルがあっても臨機応変に対応すること。焦らず、冷静にだよ。
任務内容は以上。任務に備えて各自準備を行うように。解散。」
Aの一言で、ガタガタッと椅子の動く音がした。任務の詳細を一年生に伝えるべく教室を出ると、ポンッと肩を叩かれた。
「や。」
「父さん…任務帰りかい?」
「あぁ、そうだよ。そっちは?」
「今話し合いが終わったところだよ。呪詛師は捕縛後、情報を聞き次第処刑する。異論は?」
「ない。」
「じゃあ、この資料一年に渡しておいてくれ。私はこの後別の任務がある。」
「無理しすぎるんじゃないよ?」
「わかってる。」
夏油に資料を押し付けて、次の任務に行くため補助監督の元へと走った。いつの間にか自分を追い越してしまった彼の背中を見ながら、夏油は小さくため息をついた。
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魔灯 - 任務代わってくれる棘君優しいな 真希ちゃんと夢主君幸せになってくれー! (2021年9月5日 17時) (レス) id: 43f1bbcd44 (このIDを非表示/違反報告)
魔朝@Bsc(プロフ) - 幸穂ちゃんマジかぁ.............実幸ちゃん達も辛いやろなぁ..........夢主くんがこの一件をきっかけに大量虐殺とかおかさなきゃいいけど......とめて夏油さん!! (2021年6月22日 20時) (レス) id: 9bfc59222b (このIDを非表示/違反報告)
都和(プロフ) - ここで辛い展開やってくると思わなかった、、、頑張れ息子くん! (2021年6月22日 15時) (レス) id: a33a5cff70 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 真希ちゃんが男前過ぎて……(泣)逆にかっこいい (2021年6月18日 16時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ついに息子くんと真希ちゃんがッ!!!!!!!!嬉しい!!幸せ!!トキメキと癒しをありがとうございます!!今夜はお赤飯でお祝いしようと思います!!!!!!笑 (2021年6月9日 18時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月6日 1時