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「ここで誓えウルフパープル。」
「ウルフパープルて。」
「Aを寝とるな!!手を出すな!!!」
「出さねぇーよ!!!んな事したら俺が死ぬわ!!!」
いつまでも寝取りを疑われる竜胆はため息をつき、Aは申し訳なさそうに笑っていた。三途は一応叔父だから、ということで、仕方なしに警戒を解いて彼女を囲うようだった体制はやっとこさ終了した。しかしその瞬間、彼女の背後からガバリと誰かが抱きついたのだ。彼らがびくりと肩を揺らす中で、竜胆は何も言わず、三途はその背後を睨みつけていた。
「なぁんの話?」
「あ、蘭さん!お話はもういいんですか?」
「んー?うん、俺は終わった〜今は明司と話してる。義兄さんには同棲許可もらってきたから安心しな〜♡」
「はぁ!?許可もらった!?は!?まじかよ死ねやジジイ!!!!」
「もっといえ大知!!!!そのジジイとAを引き剥がせぇ!!!」
「てめぇは歳変わんねぇだろーが。」
蘭がその無駄に長い脚を振り上げると、それは見事に三途の尻へと直撃した。
「ってぇな何すんだクソ谷!!!」
「ガキの前でムキになんなよ〜」
「てかさっさとA離しなさいよ七三パープル!!!」
「そうだぞ七三パープル!!!」
「気安くAに触んじゃねぇ七三パープル!!!」
「え、七三パープルってまさかの俺?」
三途は再び腹を抱えて笑い、竜胆はぷるぷると笑いを堪えた。Aは「んふ、」と小さく笑いを漏らして俯いているが、蘭だけがぽかんと口を開いたままだ。Aちゃんの幼馴染じゃなかったらお前らここでスクラップにしてた。
「あのなぁ、俺は灰谷蘭な?なんだよ七三パープルって。戦隊モノのヒーローかよ。」
「てめぇがヒーローなんざ笑わせんじゃねぇ!!!」
「もー、みんな失礼だってさっきも言ったでしょ。落ち着いて、ね?」
Aはそう言いながら、背後から抱きついていた蘭のコートのボタンを開けていくと、その内側に入り込んでコートで自分を包んだ。
「は?何それ可愛い。」
「大寿くんにこの時期はいつもやってるんですよ〜体温がすごく高くて……蘭さんも暖かいですね!」
「まぁじで?好きなだけそこにいな?」
デレデレと頬を緩めてコートの上から彼女を包むように抱きしめるその姿からは、愛おしいという気持ちが溢れ出ていた。警戒心丸出しだった彼らも、これは予想外だったようで、がくん、と肩から力が抜けた。
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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時