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スマホには数え切れないほどの不在着信とメッセージが届いていた。通知のせいで落ちてしまった電源を入れれば、溜まりに溜まっていた通知が続々とスマホに入ってくるせいでぶーぶーとうるさくて仕方ない。
そんな中で数件の非通知。それは警察からだった。昨晩、自宅では火事があった、と。家は全焼で中にいた父親は焼死。焼けてしまって姿かたちが分からない遺体は既に処理され骨壷に移されてしまったらしい。事件は捜査中だが、タバコの処理が不完全だったためだと思われる、との事だった。実際火をつけたのは、あのとき仕事だといってその場にいなかった三途と灰谷兄弟が火をつけたわけだが。
彼女は父親の虐待に耐えきれなくなり、愛犬のレオを連れて友人宅に避難していたことになった。彼女の荷物が燃え跡から発見されなかったなんて事にならないように、なんとなくで選んだ適当な家具や身代わりになりそうな刀を彼女の部屋に放り投げておいたのでそこは問題無い。
彼女は一度警察に出向くことになり、その日一日は書類の提出やなんやかんやで忙しかった。朝の9時半に警察に出向き、終わった頃には3時半を過ぎていた。そこから事件を聞き付けた友人達に連絡を返し、通夜や葬式をしない事を伝えた頃にはもう4時をすぎている。スマホとこんなに向き合ったことなんてほとんどなかった彼女は目が痛くて痛くて仕方がない。
｢終わった？｣
｢はい……なんとか……｣
｢明日は？学校行くの？｣
｢はい！｣
｢送ってこーか。｣
｢大丈夫ですよ！近くですし！｣
何より、あんな高級車で送ってもらったなんてしれたら大騒ぎだ。質問攻めにあうのはごめんだ。父親が死んだ後なのでそこまで追求されないとは思うが。
｢帰り、隠家くる？｣
｢いいんですか？そんな簡単に……｣
｢いいよ。あいつらも連れて来いってうるせぇし。｣
蘭はうんざりしたようにため息をつきながら頭を抱えた。彼女が警察に出向いている間に隠家に仕事を片しにいったらしいが、どうやら一悶着あったようだ。聞けば、三途と殴り合いになりかけた所に止めに入った佐野の蹴りが容赦なく鳩尾に入ったのだそう。あの蹴りがどれほどの威力が体験してはいないが、間近で見た事のある彼女は蘭に哀れみの目を向けた。
翌日、鳩尾の辺りにはそれなりに痛々しい痣が出来ていたそうな。歳をとると痣も治りにくくなるので切実にやめていただきたい。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
