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きらきら！！と叫んだ少女に、春千夜は目を丸くした。髪の話だろうか、と髪を触ってみるが、どうやら髪のことではないらしい。
｢ほししゃ！きあきら！｣
｢星……？｣
｢くち！おほししゃ！｣
｢口……あぁ！春千夜の口の傷の話か！なんかと思ったじゃねぇか〜｣
｢……星……？｣
春千夜は自分の口の端にある傷を撫でた。星？これが？きらきら？春千夜はゆっくりと首を傾げる。
｢お前の口の傷が星に見えんだとよ、この嬢ちゃんは。ったく子供の感性ってのはすげぇな。｣
｢は？違ぇわ俺の子が天才なんだわ！！｣
｢少なくともお前の子ではねぇ。｣
頭上で二人がそんな話をしている間にも、Aは小さな手を一生懸命に春千夜へと伸ばしていた。春千夜は彼女に近寄ると、顔を差し出すようにしてしゃがむ。すると、彼女はぺたぺたと口の傷に触れた。
｢かあいいね！｣
にぱり、彼女は笑った。その笑顔はキラキラしてて、まるで宝石のようだった。その頃は、恋愛感情というものがどんなものか知らなかったが、それは恋愛感情ではなかったと思う。守ってやりたい。守ってやらないと。
小さくて、純粋で、その傷さえも可愛いと褒めてくれたその子を守ってやりたい。幼いながらにそう思った。今思えば、ガキのくせになに一丁前なこと言ってやがんだよ、なんて笑い飛ばせてしまうくらい単純なヤツだったと思う。
｢……俺、春千夜。｣
｢はぁちぉ！｣
｢は、る、ち、よ。｣
｢春ちゃんって呼んでやれ。｣
｢おい武臣！！！｣
｢はーちゃ！！｣
春ちゃん、なんてふざけた呼び方をする兄を睨みつけていたが、彼女は舌っ足らずなその口で、春ちゃん、と彼の名前を呼んだ。悪くないな。そう思った。
｢……ま、いいや。｣
｢じゃあジブンはせんちゃんだな！｣
｢せぇじゅ！｣
｢ちがう！せ！ん！ちゃ！ん！｣
その後は、どうしてもせんちゃんと呼ばせたい千壽と、呼び方がまるっきり治らない千壽の熱い戦いが行われていた。
その片隅で、春千夜は先程まで彼女が触っていた口の端をもう一度撫でては、緩く口角を上げた。
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鈴(プロフ) - 続編おめでとうございます！！ (2021年10月30日 10時) (
レス) @page10 id: df5b843723 (このIDを非表示/違反報告)
りく - 文章の構成などもお上手で先が読みたくなってしまいました。応援しています！ (2021年10月20日 14時) (レス) @page22 id: cb6ced8fcf (このIDを非表示/違反報告)
五条悟(プロフ) - なんかこのまま嬉々として蘭ちゃんが梵天に笑顔で入れそうだな。レオ君と共に (2021年10月16日 6時) (レス) @page4 id: e4f8a98264 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぽぽ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！これからも更新頑張って下さい(^^) (2021年10月16日 4時) (レス) @page4 id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しく読ませていただきます！ (2021年10月16日 2時) (レス) @page2 id: 530da25b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年10月16日 2時
