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「A〜!」

「ん?」

「ちょっと来て!」





高専内を歩いていると、菜々子に手を引かれて2年生の教室へと連れていかれる。椅子に座らされると、髪を結んでいたゴムを解かれた。





「え、何?」

「ちょっと大人しくしてて。菜々子、クシ。」

「はい!」





またおもちゃにされるのかな、とため息をつく。別にするのはいいが事前に言って欲しい。今回は1時間か?それとも2時間か?いくつの髪型を自分で試されるのか、そんなことを考えていると、出来た!と声が上がる。





「え、もう?」

「ちょ、Aこっち見て!」

「ん?」

「わ、そっくり……!」





なんの事だと首を傾げていると、菜々子が鏡を向けてくる。そこには、父親のような変な前髪をしてお団子にされた自分の姿があった。





「高専時代のぱぱ!」

「A、パパそっくりだから絶対似合うと思って。」

「なるほど………」

「めっちゃパパそっくりー!カッコイー!」

「写真写真……」





あまりにもそっくりなものだから2人はキャッキャキャッキャと騒ぎ、パシャパシャと写真を撮る。それに比例するように、Aはどんどん不機嫌になる。





「え、どしたのA。そんな膨れっ面して。」

「……二人は私じゃなくて、父さんを見てるわけ?それなら父さんに頼めばいいのに。」





ぷいっとそっぽを向き頬を膨らませた。せっかく姉二人との時間が出来たと言うのにこれなのだからたまったもんじゃない。

しかし、不機嫌なAとは裏腹に二人は顔を見合わせると、唇をきゅっとしてなにか悶えるような表情だった。





「Aかわいい〜!!!」

「ちょ…私怒ってるんだけど…!!」

「うん、ごめんね、もちろんAが1番だよ、!」

「Aちょーイケメンだから、その髪型まじ似合ってる〜〜!」





二人はAに抱きつき、頬をすりすりと擦り寄せた。そんなふたりに、今まで不機嫌だったAも少しずつ頬を和らげていく。そんな彼らの様子を、Aを探していた家入と夏油が影から眺めていた。





「………やばいうちの子達が可愛いどうしよう………」

「こんなところで悶えてる気持ち悪い父親持ってあの子達も可哀想だな。」

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零落(プロフ) - 久々に占ツクに戻ってきたら超良作に出会って、一気に最新話まで読んでしまいました。話の途中で何度も笑ってしまったり、感動したり…もう最高です!素敵な作品をありがとうございます。これからも更新楽しみにしております。 (2021年6月4日 6時) (レス) id: 35493f6139 (このIDを非表示/違反報告)
方言男子 - やべ、性癖に刺さった (2021年5月26日 18時) (レス) id: b75236f17d (このIDを非表示/違反報告)
海洋生物(プロフ) - 続編おめでとうございます!成長した夢主くんかっけぇ!あと面白い!これからも頑張ってください! (2021年5月25日 7時) (レス) id: c21e60aa61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月25日 5時

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