・13 ページ13
リビングに戻ると、もうほとんど髪は乾ききっているようだ。
「A、これとこれとこれ、どれがいい。」
「んー……蘭ちゃんどれがいいと思う〜?」
「Aはなんでも似合っちゃうからな〜強いて言うなら真ん中のやつ。」
「んじゃ真ん中。」
「はいはい。」
竜胆が靴を戻しに行っている間に、髪はすっかり乾ききって、仕上げにオイルを塗ってやる。
「レストランの前に髪染めに行くか〜?」
「だってセットすんの竜ちゃんでしょ?」
「んなもん頼めばスペース貸してくれんだろ。な〜竜胆〜?」
「なにが?」
戻ってきたばかりの竜胆に事情を話せば、「あ〜…」と小さく声を漏らしながら彼女の髪に触れる。
「だいぶ色落ちてるもんな。」
「染めに行ったがいいよな。」
「だな。行きつけんとこ行こーぜ。セットもそこでする。」
「じゃあ蘭ちゃんアクセサリー選んできてやるから着替えろ〜」
Aの頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でた後、蘭は上機嫌でリビングをぬけていく。Aは雑にバスローブを脱いで、竜胆達が準備してくれたドレスに袖を通し、上からカーディガンを羽織る。
「お前、いくら俺らが兄妹だからって遠慮なさすぎだろ。少しは気を使うとかないの?」
「今更じゃね?」
「……年頃のはずなんだけどな。」
嫌われるよりいいけど。竜胆は小さくため息をついた。嫌われるのは嫌だが気にしなさすぎるのもどうかと思うのが本音である。
「ピアスとネックレスこれでいいか〜?」
「んー、うん、それでいいや。」
「蘭ちゃんつけたげような〜♡」
ピアスとネックレスをつけて、鏡でもう一度自分の姿を見直す。金髪になってしまっている髪に目がいき、やっぱり染め直すべきだなと自分でも思ってしまった。Aは小さく息を吐いて手首に時計をつける。
「はよいこ〜」
「だな。」
「髪、紫じゃなくてピンクにしてみよーかな。」
「絶てぇやめろ。紫一択。」
「蘭ちゃんガチじゃん。」
彼女は呑気に笑っているが、蘭たちにとっちゃ笑い事じゃない。三途とお揃いなんてとんでもない、と二人は何度も首を左右に振った。
「どっちが車の運転すんの?」
「竜胆任せた♡」
「また俺かよ……!」
1013人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
自律思考固定砲台 - 梵天大好きな私の為に作られたのかと思った…。作者様、マジで神じゃん!? (2021年9月27日 22時) (レス) @page38 id: 426cb43a7c (このIDを非表示/違反報告)
わわるこ(プロフ) - 夢主ちゃんがマジで好み過ぎる… 主様の作品大好きです!応援してます! (2021年9月26日 12時) (レス) id: e592c4a1c9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - 灰谷兄弟の妹めちゃくちゃいい作品に出会えて嬉しいです!春千夜大好きなので梵天絡みまじ好きです!落ち楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください^_^応援してます! (2021年9月16日 13時) (レス) id: 70f00aa1ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年9月16日 2時