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「Aせーんせ♡」
「どうしたの真弥〜?」
突然抱きついてきたにも関わらず、Aは体制を崩すことなく彼女を受け止めた。そのスマートさはきっとそこいらの男には到底真似出来ないだろう。いや、そこいらの男どころか彼女の周りにいる男の誰よりも可愛い。
彼女の父親、五条悟も見習って欲しいものだと何度思ったことだろう。
「わ〜!先生のリップ可愛い〜!」
「あ、これ?いいでしょ〜新作なんだ〜」
「いいな〜!どこのやつ?」
「欲しいならあげようか?予備であと二本買ってあるから。」
「え、いいの!?」
「いいけど、真弥にはちょっと濃いかもよ〜?あんたにはもうちょい淡いピンクの方が似合うかもね。」
そう言って優しく宮瀬の唇を撫でた彼女は、今度買ってきてあげるよ♡と彼女の頭を撫でた。
彼女の唇に塗られた赤いリップは、彼女の白い肌、そして白く輝く髪にこそ映える。こんなにも赤いリップの似合う女性がこの世にいるのかと見惚れてしまうほど。リップさえも彼女の味方をしてしまう。その美しさに真弥はうっとりと見とれてしまう。
「A先生やっぱかっこいい〜……!」
「ほんと〜?いやぁ〜参っちゃうね〜!」
あっはは〜と笑うその姿さえもかっこいい。真弥にとって憧れの存在。決してそれは恋ではなくて、でも恋のようなもので。まだ子供の真弥にはよく分からない感情だった。
でも、伏黒の隣で笑う彼女の顔は何よりも輝いてて何よりも大好き。憧れ以上恋以上、恋愛未満。それがどうにももどかしいけれど、すごく楽しい。
「んじゃ、私明音の事待たせてるから行くね〜真弥もこの後授業でしょ?確か徹が来てくれるんだよね?」
「はい!」
「徹によろしく言っといて〜」
ひらひらと手を振りながら去っていくその姿はとても優雅で、ほぅ……と思わず息が漏れる。赤くなった頬を両手で押えてぶんぶんと頭を振る。
「やっぱかっこいぃ〜〜………!」
世界一かっこいい。永遠の憧れで初恋で。手は届かないけれどそのままでよくて。よく分からないこの感情は苦しいけれど、結構楽しかったりする。
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ぷぅ(プロフ) - 凄く面白くて一気に全部読んじゃいました!!今後の更新についての作品が見れていないので、どう言う状況なのか分かりませんが、続きが更新されるのを楽しみに待っています(^^) (7月17日 0時) (レス) @page18 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - とても素敵でおもしろ作品だと思います!続きを待ってます! (2022年4月5日 20時) (レス) id: c58d97a9b4 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - アンチコメなどは気にせずに頑張ってください (2022年3月10日 21時) (レス) id: 48f3bd005d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 私この作品好きです!無理のないよう頑張ってください!待ってます! (2021年12月3日 19時) (レス) @page16 id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
もやし - いっつも見てます!体壊さない程度に頑張って下さい!!応援してます!! (2021年8月19日 17時) (レス) id: e2e99622db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年8月12日 1時