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どれくらい眠っていただろう。パチっと目を開けると、くしくしと目をこする。





「あ、起きた?」




そう言って顔をのぞきこんでくるのは、ここに運んでくれた伏黒ではなくて、父である五条だった。





「ぱぱ……?」

「おはよう。具合どう?」

「んー……まだ少しきつい、」

「きついかぁ……」





そう言って彼女の首元に手を添えると、んー、と唸った。





「まだ高そうだね。お粥作ったんだけど食べれそう?」

「たべ、れる……」

「ちょっとまっててね、温め直すから。」





うん、と小さく頷いてもう一度ベットに横になる。久しぶりに風邪をひいたせいかすごくきつい。風邪ってこんなにきつかったっけ?と思うくらい。





「あったまったよ〜起きれそう?」

「んー、うん、」





のそのそと起き上がると、けほっ、と一度咳をする。大丈夫?と五条が顔を覗き込むと、小さくこくりと頷いた。





「はい、あーん。」

「あー……」

「ど、美味しい?まぁお粥だからほとんど味ないんだけど。」

「ん、おいし……」

「なら良かった。無理して全部食べなくていいから、食べれる分だけ食べようね。」





風邪をひくたび五条はこうして甘やかしてくれる。今の歳にもなればそれは少し気恥ずかしくも思えてくるが、Aは大人しくされるがままにお粥を食べていた。

結局、半分ほど食べたところで彼女はもういらない、と首を横に振った。





「うんうん、よく食べたね〜じゃあお薬飲もう。」

「…………やだ、」

「わがまま言わない。錠剤だからすぐ飲み込んじゃえば苦くもなんともないよ。ほら、お口開けて〜」





ムスッとした彼女だったが、ほらほら〜と目の前で錠剤を見せられて、仕方なく口を開けた。口の中に薬を放り込まれてすぐ水でそれを流し込む。ごくんっと喉が動いたのを確認して、よしよ〜し!と五条は彼女の手からコップを受け取る。





「偉かったよ〜それじゃ、体拭いてお着替えしたら寝ちゃおう。明日硝子が様子見に来るからね。僕は食器片してくるからその間に体拭いちゃいな。」





食堂から借りてきたであろう食器を持って、五条は足早に部屋を出ていった。どんなにクズな父親でも、いい加減娘の下着姿を見るのはまずいと思ったんだろう。

それはそれとして一緒に風呂には入るわけだが。

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宙青(プロフ) - 突然すみません!いつも楽しく読ませていただいております。19話に当たるところが29話になって29話が2つ存在してませんか…? (2021年10月18日 20時) (レス) id: dd91defe37 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 恵が嫉妬してほしいのはわかるけど、だからってわざと見せつけたら別れの危機だからね! (2021年8月6日 16時) (レス) id: 3bd4541dda (このIDを非表示/違反報告)
らっかせい - 今気づいたんですけど、最強と娘から→最強の娘になったんですね!なにか、意味あるんですか?! (2021年7月23日 21時) (レス) id: ac50ef14ea (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - 続編おめでとうございます〜!1から見始めた私の天使が…。もう8まで来ましたよ〜。おめでとうございます!これからもついていくんで、更新頑張ってください!!! (2021年7月17日 23時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
イナアレオリ - 最強の娘シリーズ最高です!何回読んでも良い神小説最新話更新頑張ってください (2021年7月14日 19時) (レス) id: f4313b7def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年7月11日 1時

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