King and Princess２

ー７ ページ41

ふくらside
Aちゃんの携帯に電話がかかってきた。


そこまでは良い。


でも、その時のAちゃんの顔は今まで見たことがないような嬉しそうな顔をしていた。



川上「嬉しそうでしたね。」


ふくら「ね。」



友達からだろうって勝手に僕達は思っていたけど、その考えはある会話が聞こえて変わった。



『ふくらさんと川上君以外は、五右衛門風呂に入ってる。』



僕と川上はお互い顔を見合わせた。


Aちゃんは基本的に電話などで仕事の話をしない人だ。


そのAちゃんが話しているということは、電話の相手はQuizKnockメンバー。


僕の頭の中に出てきたのは、3人。


こうちゃんと須貝さんと河村。


その中でAちゃんに電話をかけてくる可能性があるのは…



"ｶﾞﾀﾝｯ"



伊沢「あー、えっと…」


ふくら「伊沢。」



僕達の前には気まずそうな顔をしている伊沢がいた。


伊沢のことだから、多分電話の相手が誰だかもう分かっているのだろう。



伊沢「俺、もう1回入ってこようっと…」



そう言って、伊沢はこの場からいなくなってしまった。



川上「あの電話の相手…河村さんですよね、絶対に。」


ふくら「そうだろうね。」



かなり前から気になっていた。


Aちゃんと河村の関係。


僕達では入れないような空気が2人の間にはあった。


それは伊沢も例外ではない。


2人を見ていると、Aちゃんを疑ってしまいそうになる。


多分それは川上も思っているんだと思う。



川上「なんか伊沢さんが可哀想に思えてきました…」


ふくら「Aちゃんがそういうことをする人じゃないって分かっているから、多分僕達の考えすぎなんだと思うけど…」


川上「それは俺も思います。」



疑ってしまうと思ってしまったけど…


それでも、僕は思う。


Aちゃんは態度を表に出さなくても、伊沢を裏切るようなことはしないって。



ふくら「仲のいい友達って感じだよね。」


川上「そうですね。」



僕達は自己解決をして考えることをやめた。

ー８→←ー６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す