東大のねむり姫

第20問 ページ20

「あ、白雪さん送っていくよ」

伊沢さんが車の鍵を持ち立ち上がった

『何から何までありがとうございます』

僕はそんな伊沢さんに頭を下げた

「白雪さんが良ければいつでも来てくださいね」

パソコンで作業をしていた福良さんが微笑みながら言ってきた

「白雪さん、またね！」

こうちゃんさんが笑顔で手を振ってくれた

『はい。ぜひまた機会があれば…失礼します』

一礼してからオフィス？をでた

伊沢さんの車に乗り家を言う

「白雪さんって一人暮らし？」

マンションと聞いて伊沢さんは疑問に思ったのか聞いてきた

『はい、父も母も海外ですから』

僕が言うと「そっか、心細くないの？」今度は少しだけ遠慮がちに言った

『そう、ですね。心細くないといえば嘘になりますが、これ以上迷惑かけないために何とかしてます。』

僕はそう答えると「白雪さんはすごいね」なんて僕の目を見ながら伊沢さんは微笑んだ

「はい、着いたよ。白雪さん…あ、名前で呼んでもいい？なんか、白雪さんだと距離置いてるみたいだから」

伊沢さんの言葉に『え、はい。いいですよ』と僕は少し驚いて答えた

その返答に伊沢さんは少し笑っていた

「じゃあ、おやすみ。Aちゃん」

伊沢さんが優しく微笑んで言った

『はい、おやすみなさい。』

僕はそう言って自分の部屋に向かって歩いた

ｶﾞﾁｬﾝ

鍵を差し込み回した

ｶﾞﾁｬｯ

『ただいま…』

僕は昔の癖でいつも言ってしまう
返事なんてないのに

「あ、Aおかえり」

『え、光…なんでいるの？』

僕が聞くとこの前借りた辞典を貸してほしくて来たけど、僕が帰ってきてないから悪く思いながらも上がっていたらしい

光には僕が発作が起きてもすぐ来て貰えるよえに合鍵を渡しているのだ

「それよりA、伊沢さんに送って貰ったんだね」

ﾆﾔｯと笑う光に僕は『うん、そうだけど？』とポーカーフェイスで返事をした

「んー、つまんないなぁ。何かあったりしなかったの？」

光は少しすねたように言ってきた

『なにか…ね。あ、名前呼びされた？いや、ＱuizKnockって言うのに勧誘された』

僕が言うと「Aほんと？凄いじゃん」なんて喜ばれた

『いや、ＱuizKnockには入らないよ？迷惑かけちゃうだけだし』

僕はパーカーを洗濯機に入れながら言った
そんな僕を光は少し心配そうに見ていることなんて知らないで＿＿。

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