秋の日 銀杏の木 ジンさん�� ページ9
「ジン、今回の仕事も楽勝だったわ」
人気のない街道で、私とジンとウォッカは落ち合う予定だった。
予定の時刻通り、私は『仕事』を終え、報告をした。
「ご苦労だったな。これでお前もようやく組織の一員になれる……」
「コードネームは何になるのかしら」
私は笑みを浮かべ軽口を叩く。しかし内心は冷たい感情が流れていた。
――これでより情報が手に入る。と。
結城Aはスパイなのだ。どこの国の所属は分からないが。
出される指令に従ってこの『黒の組織』の情報を仕入れ続ける。
幹部入りすればさらに情報が……。これは報酬も弾むな。
「ねえジン。私はこれからもっと組織に尽くすわ。だから――」
ウォッカがいることさえ気にせず、私はジンに抱きつく。
彼の腕を自分の胸に押し付け、彼の表情を伺った。
ハニトラではないけど、ちょっと誘うだけ。
男女の関係になればもっと情報も手に入るかもしれない。
――というのはほんの建前で。
――――本当は実は私がジンのことを好きになっている……のかもしれない。
冷徹で、口数が少なくて……何故だかわからないが、好意を抱いてしまった。
しかし私はスパイ。そんな感情許されるわけがない。
「何の真似だ」
勿論、あしらわれる。振りほどかれ、彼は私から離れた。
――せつない、と思うことすら許されないのか。
なんて思っていると、銀杏の葉が私の頭にひらひらと舞い降りた。
手に取るとその葉は綺麗な黄色がまぶしいくらいだった。
辺りを見回すと、黄色い銀杏が散りぢりにあり、少し美しかった。
なんというか言葉にできない美しさであった。
儚いというか――
「――結城A」
不意に自分の名前を呼ばれて我に帰る。
誰が……その名前を――
振り返ると、ジンが銃を構えていた。
その銃口は私に向けられている。突然のことで頭が回らない。
「結城A、それが貴様の本当の名前か」
クックックと彼は愉快そうに笑った。
したたかに、気障に、嗤うだけ。
私は2.3歩後ずさって「誰の事かしら？」と聞き返す。
「恍ける気か……。無駄なことを」
瞬間、右腕に強烈な痛みが走る、それと同時にパンと乾いた音が耳に届いた。
撃た、れた……のか。生暖かい血を見てそれが現実だと思い知らされる。
「吐け。お前はどこの国の鼠だ。吐けば楽に死なせてやる……」
意識が少しずつ遠のいていく。
「どうして私がスパイだと……」
「俺が質問しているんだ。貴様の問はどうでもいい」
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アニオタ - やばいやばいやばい！！快斗くんやばい…っ！！！ (2018年6月3日 23時) (
レス) id: e9f436c148 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜の花びらさん» 深夜にレス失礼します。この作品の続編にリクエストを投稿しましたので、お時間のある時にご覧いただければと思います。リクエストありがとうございました。 (2018年1月20日 2時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - ひよこさん» よかったです〜〜！ ぜひぜひ何度でもしてください〜〜！ 私も楽しかったです〜〜！！！ (2017年12月15日 23時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - イヲハさん» ありがとうございます！！すごく面白かったです感動しました！ほんとに私が想像していたスコッチでした（n回目）またリクエストすると思いますがよろしくお願いします！笑そして昨日楽しかったありがとう〜 (2017年12月15日 6時) (レス) id: 7e626f0eed (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - シルビアさん» 深夜にレス失礼します。コメントありがとうございます。修正しようと思っていたのを忘れていました^^; ご指摘ありがとうございます！！ ありがとうございます、頑張ります！！ (2017年12月15日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
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