[第39話] 切り札 ページ17
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母「私の切り札はここにある。
殺す瞬間あいつは後悔して泣きわめけばいわ!
私に頭を下げて「お前が正しかった」って言えばいいの!
こうさせたあいつが悪いの…!」
レイ「…お母さん。」
母「ーーーーーーーーー」キッ…
お母さんは私を睨みつけた。
母「レイ……なにしてるの……」
レイ「…お母さん、あのね。
話を聞いて欲しいの……」
母「あのね…私は今、あなたに構ってる余裕はないの…
ぐしゃぐしゃにされたキッチンを片付けなきゃいけないし、あなたの話を大人しく聞く余裕なんて心にないのよ…?」
レイ「…聞いてよ、勝手なことをしたら怒るでしょう?」
母「あは。
あははははははははッ、すごい!
なんであなたも言うことを聞かないの…!?」
___ガッ
お母さんは私の髪の毛を握った。
母「ねぇ、私はねあなたがいるからこの地獄に足をとられてるのよ?
あなたの存在が憎いのよ……?
あいつとの交わりを見ているようで気持ち悪くて仕方がないのよ……?」
母「……2階の自分の部屋に行きなさい。」
レイ「…お母さんの言うことを聞いたら、私の話を聞いてく」
母「早く行きなさい!!
これ以上、私を不幸で酷い母親にさせないで……!
わぁあああぁあああ!!!」
誰も誰かの言うことなんて聞かない。
誰もこっちを見てくれない。
なんでだろう。
レイ「…言うことを聞かせる
切り札…」ボソッ…
_____
レイ「…結局、誰も私の話なんて聞いてはくれなかった。
それからしばらくして……あの時の子犬をまた見に行ったの。
そしたらその子犬はもう弱っていて今にも死んでしまいそうだった…
私がその子犬に触れようとしたら____
子犬は私を噛んだ。」
レイ「___そこから家に帰るまでの間はあんまり覚えてない。
気がついたら私は自分の部屋の中でその子を……
"直して"あげていたの。」
レイ「でもそれはすぐにバレた。
……あぁ、あの日のお父さんとお母さんはとっても騒がしかったな……」
_______
レイ「いい子、いい子だね……」
____ガシャンッッ
レイ「とっても可愛いね。」
父「お前のせいだ!!!」
___ バキッ
父「お前が狂ってるからあいつはおかしいんだ!」
__ガッ、ガッ
母「___いいえ、あの子の異常はあなたのせいでしょ!?」
___ガッ
レイ「ずっとそばにいていいんだよ。」
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作者名:春猫 | 作成日時:2020年12月11日 19時